「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
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類似群コード(るいじぐん こーど)


 [ 類似群コード(るいじぐん こーど)]


 特許庁が商標の審査において商品や役務(サービス)の「類似」を判断(推定)するために、商品や役務に付けているコード(分類記号のようなもの)のことです。


 同じ類似群コードが付けられている商品・役務は、類似する商品・役務であると推定されます。



(1) 商標登録出願をする際には、商標を独占使用したい商品又は役務を指定する必要があります。


 ところで、商標法では 既に登録されている商標と類似する商標は登録しないこととなっています。

 又、「先願主義」、つまり「先に出願した者に登録を認める考え方」であるため、類似する出願が複数ある場合には、先に出願した出願人に商標登録を認めます。


 そのため審査においては、審査の対象となる出願が、登録商標や、出願日以前になされた他者の出願と類似しないかを審理します。


(2) 「類似」を考える際には、「商標(文字やマーク)の類似」と「商品・役務の類似」という2面から考えます。

 
 2つの商標を比較して、「商標(文字やマーク)」と「商品・役務」の両方が類似する場合、この2つの商標は全体として類似すると判断されます。


 反対に、商標となる文字やマークが類似していても、指定されている商品・役務が類似していなければ、全体としては非類似と判断されます。


(3) ここで、特許庁では「審査基準」という庁内の基準を作り、どのような場合が「類似」に該当するのかの判断基準を審査官に示しています。


 商品・役務の類似については、「類似商品・役務審査基準」という審査基準があります。


 この「類似商品・役務審査基準」において、「この商品と、この商品とは類似する」と推定される商品・役務を「類似群」としてグループ分けし、各グループに「類似群コード」を付けています。


 つまり同じ「類似群コード」が付けられている商品・役務は、審査において「類似する商品・役務」と推定されることになります。



 ちなみに「推定」というのは、「一応このように取り扱うが、もし反対の証拠(反証)を出せば、それをくつがえすことができる」ことです。



               ☆                   ☆   

[関連事項と経験談]


(1) 商標登録出願をする際には指定する商品又は役務と共に、それらの商品・役務が属する商品・役務の区分(商品区分)を願書に記載する必要があります。


 商品・役務区分については以前に説明させていただきました。


 ここで 誤解されている人が多いのですが、この商品・役務の区分は、商品や役務の類似範囲を定めるものではありません。


 つまり、同じ商品区分に属する商品でも類似しない商品が有りますし、違う商品区分に属する商品でも類似する商品が有ります。



(2) 「類似商品・役務審査基準」は公表されています。


  特許電子図書館 で見ることができます。
   


 又、発明協会から冊子として発行されています。
   


 余談ですが、この発明協会が販売している「類似商品・役務審査基準」には、英語訳が付いていますので、日本語名称ではどのような商品であるのかわかりにくいときに、英語訳を見ることにより商品をイメージできるので助かります。




(3) 類似群コードを見ていると、個人的には

「どうして この商品と、あの商品とが類似する商品なのかな?」

と疑問に思うことも たまにあります。


 例えば、第28類「ゴルフクラブ」と第21類「コッフェル」とは同じ「24C01」という類似群コードが付けられています。


 「コッフェル」というのは「キャンプなどで使う鍋」のことです。


 現在の一般的な感覚では「ゴルフクラブ」と「コッフェル」が類似する商品だとは思いにくいと思います。

(想像ですが、スポーツ用品店でゴルフ用品もキャンプ用品も一緒に売っていたことや、同じスポーツ用品メーカーが作っていたこと等が、原因の一つかもしれません。)



 一度、気になって特許庁に電話して聞いてみたことがありましたが、対応していただいた商標担当の審査官によると

「審査官としては同じ類似群コードが付けられている以上、類似商品として判断せざるを得ない。仮に出願して審査結果に不満があっても、審査官は審査基準に従うので審査官に意見書を出しても効果はないと思う。そのような場合は審判請求をして審判官に意見を述べて欲しい。」

とのことでした。


(4) 特許電子図書館  では「類似群コード」を使った商標検索ができます。


(5) 1つの商品又は役務に 複数の類似群コードが付けられている場合も有ります。



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