「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


パブリックドメイン



 パブリックドメインとは、

 「社会全体の公共財産」というような意味ですが、保護期間が終了した知的財産権を意味することが多いです。

 その中でも、特に著作権の保護期間を終了した著作物を意味することが多いです。



(1) 著作物は著作権により保護されます。著作権には保護期間があり、その期間が経過すると著作権による保護が終了します。


 これにより、特定人の知的財産権ではなくなり、パブリックドメインとなり、原則として誰でも自由にその著作物を利用することができます。



(2) パブリックドメインは、

「いつまでも独占させるのではなく、ある程度独占による利益を与えた後は、みんなのものとして自由に使えるようにして、文化や産業の発展に役立てよう」

という考え方です。


 例えば、横山光輝さんの傑作コミックである「三国志」は、パブリックドメインである「三国志」をベースにした作品です。

 もとの「三国志」がパブリックドメインになっていなければ、この素敵な作品も生まれなかったかもしれませんね。



(3)
 最近、本屋さんで昔の名作映画のDVDが500円程度の安価で販売されていますが、その殆どは著作権が切れた作品です。


 パブリックドメインとなり、著作権料を支払う必要がないので、あのような安価で提供できるのです。



(4)
 有名な米国映画に関して、映画会社が格安DVDの販売会社を相手に、著作権侵害であるとして損害賠償、差止を請求した事件がありました。

 映画会社は

 「著作権保護期間は満了していないので著作権がある」

としていました。 ここでは

「著作権が切れたかどうか、つまりパブリックドメインになったかどうか」

 が裁判の争点となりました。


 映画の著作権については、存続期間を50年から70年に延長する改正があったのですが、改正の施行日の関係で、その映画について改正の適用があるかどうかが問題となっていたのです。


 判決では、その映画の著作権の保護期間は終了しており、著作権侵害とならないとされました。

 裁判所のホームページにて 判決文を見ることができますので、
詳細を知りたい方はご覧下さい。
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070330151920.pdf



(5)
 特許権,実用新案権,意匠権なども保護期間(存続期間)が有るため、権利が切れた後の発明,考案や意匠は、原則として誰でも使うことができます。


               ☆              ☆


[関連事項と経験談]


(1)
 著作権者側からは、著作権の保護期間を今よりも長期間となるように法改正をすべきだとの意見が出ています。

 また、国の政策としても著作権の保護期間を延長した方がよいという考え方もあります。

 著作権者や国の利益を考えてのことです。

 特に米国においては、映画業界からの圧力が大きいと聞いたことがあります。


 保護期間の延長には 当然 反対意見もあります。

 「著作権者の利益」と「文化の発展」とのバランスというのは難しいですね。


 只、力のある側が、強引に自分たちの意見を押し通すようなことは避けて欲しいと思います。


(2) 「桃太郎」のような昔話は古いので著作権はありません。
  パブリックドメインです。

 但し、もとになる「桃太郎」の話に著作権はなくても、出版された絵本には多くの場合、著作権があります。


 「絵本」とする際に加えられた絵や、レイアウトや、新たな解釈に基づくストーリー展開などが 新たな創作となることが多いからです。



(3)
  特許権や著作権などと異なり、商標権は更新すれば半永久的に権利を維持することができます。


 商標は商人の営業や商品を示す名称やマークであり、商人が長期にわたって使っている商標を保護することにより、市場における取引の安全を確保することができるからです。



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