「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


 [継続的使用権(けいぞくてきしようけん)]

  
 継続的使用権とは、

 いわゆる「小売等役務商標制度」の施行前から小売等に使用されていた商標について、他人が小売等役務商標の登録を受けた後でも引き続き使用することを認める権利のことです。



(1)
 2007年(平成19年)4月1日から、いわゆる「小売等役務商標制度」が施行されました。


 これにより、小売業や卸売業の方が、その店名等を商標登録して独占的に使用することができるようになりました。


 ただ、改正法の施行される前から小売や卸売に関して使ってきた店名などが、他人の商標登録により使えなくなるのは不合理です。


 そこで、2007年3月31日以前から小売等に関して使用していた商標については、引き続き「原則としてその範囲内で」使用することができる「継続的使用権」が認められています。



(2)
 只、「日本国内で」「不正競争の目的でなく」「小売等について」使用されている必要があります。


 ですから、たとえ2007年3月31日以前に商標を使用していたとしても

 「外国でのみ使用していた。」

 「他の有名店の信用に便乗する目的で、同じ商標を使用した。」

 「小売等以外について使用していた。」

ような場合は、継続的使用権が認められません。



(3)
 継続的使用権は、小売等役務に係る商標権に対してのみ認められています。それ以外の役務(サービス)や商品に係る商標権に対しては認められていません。



               ☆              ☆

[関連事項と経験談]
 

(1)
 継続的使用権は、商標権者や専用使用権者から商標権侵害だといわれた際に、抗弁権(対抗する権利)として使います。


 その際には、2007年3月31日以前から その商標を使用していることを証明しなくてはなりません。


 したがって、いつ警告を受けたり、訴訟を起こされたりしても証明できるように2007年3月31日以前から 該当する商標を使用していた証拠、例えばカタログ,チラシ,取引書類などを きちんと保管しておくことをお勧めします。


 でも、できれば自分の店の店名などは、他人に商標登録される前に、自社で商標登録を受けておいた方が安心ですね。



(2)
 「継続的使用権」が認められても、商標権者(又は専用使用権者)は継続的使用権を有する者に業務の混同を防止するための表示(例えば屋号の並記など)を付けることを求めることができます。


 この 表示を求める権利のことを「混同防止表示請求権」といいます。




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