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図面に代える写真 (意匠関係) |
[ 図面に代える写真 ](意匠関係) 意匠登録出願をする際に図面の代わりに提出する写真のことです。 「図面代用写真」とも呼ばれます。 (1) 物品の外観デザインについては意匠登録により保護できる場合があります。 意匠登録を受けるためには、意匠登録出願をする必要があります。 出願に際しては意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付します。 (2) 上記のように原則として図面の提出が求められますが、写真によって意匠が明確に表すことができる場合は、図面に代えて写真を提出することも認められています。 (3) 図面に代えて提出する写真ですから、意匠が立体である場合、図面と同様に6面図に該当する写真を提出します。 つまり原則として同一縮尺で作成した「正面図」、「背面図」、「左側面図」、「右側面図」、「平面図」、「底面図」に該当する写真を一組として提出します。 (場合によって、省略可能な図もあります。) これら以外に「斜視図(斜めから見た図)」に該当する写真を提出することが多いです。 (4) オンライン出願の場合は写真をスキャナで取り込んだり、デジタルカメラで撮影して、イメージファイルを作り、それを書類に組み込んで提出します。 尚、イメージファイルのサイズや画像形式,解像度については 細かく決められています。 (5) 図面と同様に、写真も出願後に補正が認められる範囲は狭いです。 出願後は ほとんど修正できないと考えて、出願前に何回もチェックしましょう。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 最近では性能の良いデジタルカメラが普及しているので、自分で意匠写真を撮影してみようと考える方もおられるかもしれません。 でも、実際には きちんとした意匠写真を撮影するのは、なかなか難しいです。 素人が撮影した場合に問題となりやすいのは、 「背景が写っている」 「写真に遠近感が出て正確な形状が表せていない」 「影が出ている」 「縮尺が一定していない」 等です。 特に、「遠近感」は難しい問題で、細長い物品になると遠近が出やすいのでプロでも苦労しています。 (2)私の場合は、プロのカメラマンに撮影してもらっています。 只、プロのカメラマンと言っても、意匠写真は、風景写真,人物写真,広告写真などとは性格が異なる写真です。 カッコ良さ,美しさ,シズル感など追求する写真ではなく、「図面」としての写真を撮影しなくてはならないので、意匠写真に慣れていないカメラマンは戸惑うことが多いと思います。 私がお願いしているカメラマンも意匠写真は初めてだったので、最初は意匠写真の意味や撮影の注意などを説明するのに結構 時間がかかり、何回も撮影し直してもらいました。 でも、今は1発で上手に撮影してくれるので助かります。おかけで、特許庁の審査で彼の撮ってくれた写真が問題となったことは1回もありません。 (3) カメラマンに写真撮影を依頼するときには、「守秘義務があること」,「撮影する物品を他人に見られないよう注意すること」を確認しておきましょう。 物品を無造作にスタジオやオフィスに置いていたのでは、他のお客さんの目に触れて意匠が新規性を失うことも有るからです。 (4) 物品が「堅い物」である場合は良いのですが、服やネックレスのように柔軟に形状が変わる物品の場合、撮影に気をつかいます。 撮影のために物品の向きを変えることがありますが、柔軟な物品ではその際に曲がって形状が変ってしまうことが有るからです。 図面間の矛盾を防止するため、形状が変わらないよう注意しましょう。 |
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