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日本意匠分類 (にほん いしょう ぶんるい) |
[ 日本意匠分類(にほん いしょう ぶんるい) ] 意匠に関する日本独自の分類のことです。 (1) 物品の意匠(デザイン)について、独占したい場合は意匠登録出願をして、意匠登録を受けます。 意匠登録出願があると、特許庁は出願毎に日本意匠分類(以下、「意匠分類」と言います)を付与します。 この意匠分類は、意匠に関する物品に着目して作られています。 主として意匠登録された意匠の調査のために用いられ、特許電子図書館(IPDL)でも意匠分類を検索キーとして調査することができます。 (2) 意匠登録の調査を行うのは、いろいろな目的が有ると思うのですが、大きな目的は下記の2つです。 (A) 自社の製品が、他社の意匠権の侵害とならないかチェックしたい。 (B) 自社の製品が、意匠登録を受けることができそうか検討したい。 いずれの場合も、「自社の製品」が前提として存在するので、その製品が属する「物品」について意匠調査することとなります。 意匠分類は、物品に基づいて体系的に分類されているので、これを使えば特定種の物品に関する調査がし易いです。 (3) 意匠分類は平成17年1月1日から 新しい分類になりました。出願日が平成17年1月1日以降の意匠登録出願については現行の(新しい)意匠分類が付けられています。 でも、出願日が平成16年12月31日までの出願に対しては旧分類(古い意匠分類)が付与されています。 そのため、特許電子図書館で意匠分類を使った調査する際には、平成16年12月31日以前の出願については「旧分類」を使って調査する必要があります。 つまり広い期間で調査が必要な場合(ほとんどの場合そうだと思いますが)、「現行の分類」と「旧分類」の両方で調査します。 (4) 意匠分類の分類表は発明協会さんから発行されています。 「意匠分類 分類一覧表―平成17年1月1日施行版」 特許庁のホームページでも、日本意匠分類の一覧表 を見ることができます。 又、特許電子図書館からの意匠分類を見ることができます。 (5) 現行の意匠分類の構成について簡単に紹介しておきます。 意匠分類は まず大きくA〜Nの「グループ」に分けられています。 A 製造食品及び嗜好品 B 衣服及び身の回り品 C 生活用品 D 住宅設備用品 E 趣味娯楽用品及び運動競技用品 F 事務用品及び販売用品 G 運輸又は運搬機械 H 電気電子機械器具及び通信機械器具 J 一般機械器具 K 産業機械器具 L 土木建築用品 M A〜Lに属さないその他の基礎製品 N 他グループに属さない物品 そして、各グループの中に「大分類」が有ります。 そして、各大分類の中に「小分類」が有ります。 更に、物品によっては「小分類」の下に「Dターム」という分類が付けられている場合もあります。 この「Dターム」は、現行の意匠分類では、小分類を更に細分化したものと考えてもらえれば良いです。 (旧分類では「Dターム」と意匠分類とは別の考え方に基づく分類です。) (6) 意匠分類を探す一例を紹介します。 例えば「犬の形をした置物」について現行の意匠分類を調べたいとします。 特許電子図書館の意匠分類検索用ページ の下方にある 「(現行)日本意匠分類・Dターム」 という ボタンをクリックすると 意匠分類のA〜Nまでのグループが表示されます。 (もし お時間があれば、理解しやすいので、是非 一緒にやってみてください。) 「A」から「N」までのグループから、「置物」が含まれていそうなグループを探します。 ちょっと迷いますが、「C 生活用品」が該当しそうですので、その中の大分類を見てみます。 すると C0 C1〜C7に属さないその他の生活用品 C1 寝具,床敷物,カーテン等 C2 室内装飾品 C3 清掃用具,洗濯用具等 C4 庭用保健衛生用品 C5 飲食用容器又は調理用容器 C6 飲食用具及び調理用器具 C7 慶弔用品 という大分類が有りました。 置物は「C2 室内装飾品」に該当すると 思いますので、その中の小分類を見てみます。 すると 「C2110 置物」 という 小分類がありました。これで置物についての意分類が分かりました。 でも よく見ると その下に 「C2112 置物・動物型」 という 小分類がありました。 犬は動物なので、犬の形をした置物なら、こちらになります。 更に見てみると、 「C2112A 犬型」 という 表記があります。 この「C2112A」の最後につけられた「A」がDタームで、「C2112」の中を更に細分化しています。 このように適当なDタームがある付けられている場合には、小分類よりも更に絞り込みができることとなります。 結局「犬の形をした置物」の意匠分類(Dターム)は、「C2112A」ということが分かりました。 後は 探し出した この「C2112A」を使って、検索すれば良いです。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 意匠登録出願の内容については、登録になるまで公開されません。 (この点は、商標の調査とは大きく異なりますね。) ですから、既に出願されていても、登録されていないものについては調査することができません。 (登録されていても登録後しばらくはデータベースへの入力のタイムラグにより、調査できない場合もあります。) (2) 意匠分類を使わずに、特定物品の意匠について調査することもできます。 意匠登録出願をする場合には「願書」に「意匠に係る物品」という欄を設けて、物品の種類を(「置物」とか「椅子」のように)書きます。 この「意匠に係る物品」に何と書かれているか調べることにより、特定物品の意匠を調査できます。例えば、特許電子図書館では「意匠公報テキスト検索」を使って、検索することもできます。 只、出願人が「意匠に係る物品」の欄にどのように書いているかが問題となります。同じ物品でも、物品名の表現の仕方が複数ある場合があるからです。 例えば、「バスケットシューズ」について、出願人が「意匠に係る物品」として「バスケットシューズ」と書いている場合もあれば、「運動靴」と書いている場合も考えられます。 このような場合、仮に「バスケットシューズ」というキーワードを使って検索すれば、「意匠に係る物品」の欄に「運動靴」と書かれた意匠を探し出すことができません。 そのことを考えると、意匠分類を使って調査するか、意味が同じ又は重複する別の物品名でも調査することが 望ましいです。 |
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