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[先行技術調査支援(せんこうぎじゅつちょうさしえん)] |
[先行技術調査支援(せんこうぎじゅつちょうさしえん)] 所定の要件を満たす特許出願について、無料で先行技術を調査してくれる支援施策のことです。 (1) 特許出願をしただけでは、特許庁は審査をしてくれません。 審査してもらうためには、特許庁に出願審査請求(以下、単に「審査請求」と言います)をする必要があります。 その際には、審査請求料を特許庁に納付する必要があるのですが、この審査請求料が結構高額です。 平成16年に審査請求料を2倍(!)にするという大幅値上げがあり、同年4月1日以降の出願については 168,600円+(請求項数×4,000円) となっています。 通常、請求項の数が1つということは少なく、1つの特許出願に複数の請求項が書かれていることが多いので、審査請求料は20万近くになることが多いです。 資金に余裕のある大企業であれば、20万円程度はたいした額ではないかもしれませんが、個人や中小企業には大きな額ですね。 (2) 審査請求をすると特許庁の審査官が出願内容を審査しますが、審査の結果、特許がとれない(拒絶になる)場合でも審査請求料は還ってきません。 そこで、審査請求料の無駄を省くためにも、審査請求をする前に「特許になりそうかどうか」、具体的には「出願した発明の新規性や進歩性を否定するような先行技術が有るかどうか」を調査することが望ましいです。 そして、調査結果を参考にして審査請求を行うか否かを検討すると良いです。 (2) 調査は 出願人自身で特許電子図書館(IPDL)や有料のデータベースを利用して行うことができます。又、特許調査を業務としている会社に調査を依頼することできます。 出願人が個人又は中小企業の場合、今回紹介する「先行技術調査支援」の利用ができます。 これは特許庁の委託を受けた調査事業者が、無料で先行技術を調査してくれるという施策です。 特許庁のホームページに説明が掲載されていますので、そちらをご覧下さい。 詳しいことは上記のホームページをご覧いただければ良いので、今回はこの「先行技術調査支援」についての大まかな内容だけを簡単に説明します。 (3) 依頼の対象について 対象となるのは原則として、 (A)平成16年4月1日以降に 個人又は中小企業 によりされた特許出願 (出願番号が付与されていること)。 (B) まだ審査請求が行われておらず、審査請求期間の満了まで2ヶ月以上ある特許出願。 に限られます。 尚、上記に該当しても、例外的に「先行技術調査支援」を利用できない場合が有ります。 (4) 依頼可能な人について 「先行技術調査支援」を依頼できるのは出願人本人に限られます。 更に、同じ人が年度内に依頼可能な件数にも制限があります。 尚、依頼人が「中小企業」に該当するか否かは、「従業員数」や「資本」などの基準があります。 (5) 調査をする者について 特許庁が調査を行うのではなく、特許庁が委託した民間の調査事業者が調査をします。 複数の業者が委託を受けているようですが、調査事業者によって調査のレベルに差があるかもしれません。 又、調査事業者によって、調査できる技術分野や請求項の数等に違いがあるようです。 依頼者は複数の調査事業者の中から、自分が依頼したい調査事業者を任意に選択することができます。 但し、一つの特許出願に関し複数の調査事業者に対して調査依頼をするようなことはできません。 依頼する際は特許庁を通すのではなく、依頼者が調査事業者に直接申込みます。その際には、必要事項を記入した申込書や出願書類の写し(又は公開公報の写し)が必要です。 調査依頼すると、調査事業者が調査をし、依頼者に調査結果を報告します。 (6) 調査結果について 調査結果は特許庁の審査の結果を保証するものではありません。 つまり、調査で「類似する先行技術は無い」と報告された場合でも、審査で調査で見つからなかった文献が見つかって拒絶されるようなこともあり得ます。 つまり、あくまでも「参考」ということですね。 (7) 実施期間について このような支援施策がいつまで続けられるかはわかりませんが、特許庁によると平成18年度については 「〜平成19年2月28日(予算の都合で早期に終了することがあります)」 ということらしいです。 来年度も実施されるかどうかは私にはわかりません。 (8) その他、詳しくは 上記の特許庁のホームページをご覧いただくか、特許庁の「中小企業等支援班」にお問い合せ下さい。 (電話03−3581−1101、内線2145) 私は特許庁に頼まれて広報しているわけではなく、「読者の方の参考になるかもしれない」と思って紹介したにすぎません。 「先行技術調査支援」に関する ご意見やご質問は 私ではなく特許庁にお願いします。 |
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