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[ 巡回審査 (じゅんかいしんさ)] |
[ 巡回審査 (じゅんかいしんさ)] 特許出願人の申し込みに応じて、特許庁の審査官が地方まで出向いて出願人と面接する「出張面接審査」のことです。 (1) 出願人は審査官と直接面接して、出願している発明の技術内容等について相談を行うことができます。 出願人が審査官と面接をしたい場合は、原則として特許庁まで出向く必要があります。 特許庁はご存じのように東京にありますので、東京都又は近県に在住の出願人は容易に特許庁に行くことができます。 ところが地方在住の出願人にとっては、東京まで出向くのは交通費や宿泊費がかかると共に往復の移動時間がかかります。これは資力に余裕のない中小企業にとっては、大きな負担となります。 そこで、特許出願の審査に関して、地方在住の出願人と審査官との意思疎通を図るために、審査官が出願人の方に出張して面接する巡回審査が行われています。 (2) 巡回審査の対象 巡回審査の対象となる出願人は 「全国各地域の中小・ベンチャー企業、大学・TLO等」 とのことですので、大企業は利用できません。 また、面接可能なのは原則として 「出願審査の請求後から特許査定または拒絶査定がなされるまで」 の期間ですので、出願審査請求前の出願については利用できません。 (3) 巡回審査を希望する出願人は、特許庁に巡回審査の申し込みをする必要があります。 申し込みは、郵送だけでなくファックスやメールでもできます。 特に決まった書式はないようですが、申し込む際には 「面談を希望する特許出願の番号」,「名前」,「希望実施場所」、「希望日時」、「連絡先」 などを記載します。 特許庁では申し込み後に巡回審査の可否を検討します。 つまり、申し込めば全て対応してもらえるわけではなく、特許庁の都合により巡回審査に応じてもらえないこともあります。 後日 特許庁から巡回審査の可否についての回答があります。 (4) 巡回審査が可能な場合、面接に際しての準備や注意事項については予め特許庁に聞いておくと良いと思います。 面談の機会を有効に活かしたいからです。 (5) 特許庁のホームページでも巡回審査についての説明があります。 私も詳しいことは知らないので、詳細については 特許庁(電話:03-3581-1101)にお問い合わせください。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1)特許庁も予算や審査官の都合があると思います。巡回審査を希望してどの程度の割合で対応してくれるのでしょうね。 (2)出願人が最も審査官と面談したいのは、審査官から「拒絶理由通知」が送られてきた後だと思います。 担当の審査官に発明の内容を説明したり、拒絶理由通知に記載された他の技術との相違について説明したり、審査官の考えを確認したりできるからです。 只、拒絶理由通知に対して意見書や手続補正書を提出できる期間は限られていますので、速やかに巡回審査に応じてもらえないと、巡回審査後に意見書や手続補正書を作成する時間が短くなってしまいます。 そういうこともあって、この巡回審査での審査官の「フットワークの軽さ」には興味があります。 (3)私の場合、特許庁に出向いて面談したことは何回かありますが、巡回審査で面談した経験はありません。 ちょっと話は ずれますが、審査官と面談というと、変な思い出があります。 企業の特許部門に勤務していたとき、特許庁に私一人で出向いて審査官と面談する機会が有りました。 当時は公務員の「贈収賄」がよく話題になっていたような時期で、特許庁も出願人からの贈り物や接待は受けない方針を明確に示していました。(今もそうだと思います。) しかしながら、私がいくら説明しても 上司は「手ぶらでは失礼だろう。手土産として京都の菓子でも買って持っていけ」と言ってきかず、しかたなく2000円くらいの菓子を買って持っていきました。 審査官にお会いして、菓子を受け取って欲しい旨説明しましたが、当然「受け取れない」とのこと。それで持っていった菓子は持って帰ることになりました。 面談が終わって東京から京都に帰るとき、手に菓子を持っている自分が何故かとてもマヌケに感じられました。 しかも翌日 上司に「どうして渡してこなかったんだ」叱られて、なんとなく理不尽を感じた記憶がありますが、今となっては 懐かしい思い出です。 もし巡回審査を受けることになっても、審査官を接待したり、お土産を渡したりすることは考えないでください。そんなことをしても審査官には迷惑なだけですから。 |
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