わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
[書換(かきかえ)] |
書換とは 昔の日本独自の商品区分に基づいて登録された商標権の指定商品を、現在の 商品区分に基づいた商品区分,指定商品に書き換えることです。 (1) 商標登録を受けたい場合には、商標を独占的に使用したい商品又は役務(サービス)を指定して出願する必要があります。 例えば 「第25類 被服」 のように指定します。 上記の例では「被服」が指定商品、「第25類」というのは指定商品である「被服」の属する商品区分です。 商標権の権利が及ぶ範囲も、この指定商品により決まります。 (2) 現在の商品区分は平成4年4月に導入された国際商品区分に基づいた商品区分です。 しかしながら、それ以前は 日本独自の商品区分(以下「旧商品区分」といいます)を採用していました。 そのため、平成4年3月以前の出願された商標は、旧商品区分で指定商品が指定されていました。 つまり、商標権には 旧商品区分で指定商品を指定したものと、国際分類に基づいた現行商品区分で指定商品を指定したものとが混在しています。 (3) 現行商品区分と旧商品区分とでは、全く内容が異なります。 そのため、商標の調査がやりにくく、審査する特許庁にとっても、登録の可能性を検討したい出願人にとっても不便でした。 更には商標権侵害とならないように他人の商標権を調べたい人にとっても権利範囲がわかりにくいという問題がありました。 そこで、現行商品区分に基づく指定に統一することとなり、平成4年3月31日以前に出願した商標権については、現行商品区分に基づいた指定商品と商品区分に書換えることになりました。 (4) 書換は 特許庁が勝手にやってくれるのではなく、該当する商標権を有する商標権者が行います。 書換は特許庁に「書換登録申請書」を提出することにより行います。 書換申請できる期間は決まっていますが、書換申請時期が近づくと、特許庁から商標権者(又は代理人)に対し「書換申請時期の通知」が送付されます。 (5) なお、書換が必要である商標権であるにも拘わらす書換をしなかった場合、次回の更新登録はできますが、その次(10年後)の更新登録はできません。 つまり、10年後に権利が消滅することになります。 (6) 詳しいことは 特許庁の 「書換ガイドライン」 を参照下さい。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 日本独自の旧商品区分ですが、それも過去に変更があり、「明治32年法」、「明治42年法」、「大正10年法」、「昭和34年法」という各時代の法に基づく商品区分があります。 つまり一口に「旧商品区分」と言っても、4種類の商品区分があります。 どの時代の商品区分かを明確にするために、「**年法の第*類」や、「旧旧第*類」のように言うことがあります。 古い商標を扱う際には、 「『旧旧(きゅうきゅう)』ですか?『旧旧旧(きゅうきゅうきゅう)』です か?」 のような 変な会話となることがあります。 事情を知らない人が聞いていたら、 「 QQQ って何?」 と思うでしょうね。 (2) 旧商品区分を使用していた頃は、「全類指定」という指定の仕方ができました。 例えば、 第11類 「電池、その他本類に属する商品」 のように、1つの商品区分に属する全ての商品を全て指定することができました。 それに対して、現在は「全類指定」は認められておらず、必要な商品を列記する必要があります。 したがって、「全類指定」していた商標権については、書換の際に具体的な商品を列記することとなります。 |
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