「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


PAT.P   


 
  PAT.P は、


 「特許出願中」であることを示す表記であって、「パテント・ペンディング」の略です。


 「ピーエーティ・ピー」と発音する人が多いように思います。



(1) 同様な表記として、

  「特許出願中」  

  「特許願2007−1234号」

のような表記もよく目にします。


 いずれも表記を義務づけられているものではありません。

 出願人が自分の考えで表記しています。



(2)
 商品のパッケージや広告などに「PAT.P」のような表記をしているのを見かける機会があると思います。


 この場合、あくまで「特許出願しています」ということであり、「特許になっている(特許権がある)」ということでありませんので ご注意下さい。



(3)
 それだけでは商品の どの部分について特許出願しているのか 良くわからないことが多いです。


 例えば、商品のパッケージや広告に単に「PAT.P」と書かれていても、「商品全体についての発明」なのか、「使っている部品の発明」なのか、「製造方法の発明」なのか、「パッケージや容器についての発明」なのか、よくわかりません。


               ☆              ☆


[関連事項と経験談]


(1) 出願人が「PAT.P」のような表記をする理由はいろいろ考えられます。


 まずは「宣伝広告」,「アピール」的な意味が大きいと思います。


 特許出願しても、その出願が審査で拒絶になることは多いですし、審査されることもなく取り下げ扱いになることもあります。


 でも、特許制度をよく知らない人が「PAT.P」や「特許出願中」の表記を見ると、

「うわっ、特許出願している。すごい技術に裏付けされた商品なのだろう。」

と思ってくれることがあります。


 また、見た人が勝手に「特許権がある」と誤解して 商品を高く評価する場合もあると思います。


 でも実際は、特許出願しさえすれば、関係のある製品に「PAT.P」や「特許出願中」のように表記をすることができます。




 余談ですが、私の親戚に「東大を受験した」ことを自慢していた人がいました。「東大を受験するほど頭がよい」ということを言いたかったらしいです。
 でも受験しただけで、合格はしていません(^^;)。

 「PAT.P」の表記を見ると、なんとなく その親戚のことを思い出します。



(2)
 ライバルを牽制する効果を期待して表記することもあります。

 同様な商品を真似して作ろうとする競合会社も、「PAT.P」という表記を見ると、

  「もし、その出願が特許になれば攻撃されるかも・・」

という危機感から参入を躊躇することがあるからです。


 その心理を逆手にとって、もともと特許になりそうにない発明でも出願しておき、商品や広告に「PAT.P」を書いてライバルを牽制することも あります。


 そして 競合会社が躊躇している間に 自社製品を一気に普及させて市場で優位な立場に立つという販売戦略もあるようです。



(3)
 特許出願が出願公開されていれば、特許電子図書館などを利用して実際にどのような内容の特許出願がされているのかを調査することができます。


 「PAT.P」と表記されている商品に関して調査した結果、特許になる可能性が低いことがわかることもあります。


(只、調査できるのは出願公開されている分だけですので、未公開で 「凄い」発明について特許出願されている可能性は有ります。)




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