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リージョンコード |
リージョンコードとは、 DVDプレーヤーとDVDソフトに設定されている販売地域毎の コード(設定番号)のことです。 DVDプレーヤーとDVDソフトのリージョンコードが一致しな いと再生することができません。 (1) DVDソフトは国や地域によってリージョンコードが異なるため、販売国と別の国では再生することができないことがあります。 例えば、韓国で販売されているDVDソフトは、日本のDVDプレーヤーで再生できません。日本と韓国とでは リージョンコードが違うからです。 ですから、外国で販売されているDVDソフトを買う場合は注意してください。 例えば、海外旅行に行ったときの「お土産」としてDVDソフトを買うときや、ネット通販で輸入DVDを買うような場合です。 反対に、海外在住の親戚や友人に日本のDVDソフトを送ってあげるような場合も、注意が必要です。 (2) このリージョンコードは、DVDの販売業者が販売地域毎に販売時期や価格を調整できるように考えられた仕組みです。 特に地域によって映画の公開時期を変えたい映画会社等の業界団体の意向が強く反映されていると聞いたことがあります。 例えば、日本で未公開の映画が、米国では既にDVD化されているということはよくあります。そのような場合に、米国から輸入されたDVDが先に流通してしまうと映画の興行に悪影響が出る可能性があります。 しかし、実際にはリージョンコードを設定することにより、日本で米国のDVDソフトが再生できないようになっています。 また、販売会社にとっては、地域によって販売価格を変えやすいというメリットもあります。 反対に消費者にとっては、「安い輸入盤を買う」ことが、やりにくくなります。買っても再生できなければ意味がないからです。 このようにリージョンコードは「販売業者の商売上の都合」という意味合いが強いのですが、海賊版の国際的な流通を防止するという効果もあるとは思います。 又、著作権の利用契約をする際にも、地域的な「縛り」をしやすくなると思います。 その意味では、著作権保護のための手段でもあるとも言えます。 (3) リージョンコードは 次のように決められています。 [リージョン1] アメリカ、カナダ [リージョン2] 日本、ヨーロッパ諸国、中東諸国 [リージョン3] 韓国、香港、台湾、インドネシア、マレ−シア、 フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなど [リージョン4] 中南米諸国、オーストラリア、 ニュージーランドなど [リージョン5] ロシア、旧ソ連諸国、インド、パキスタン、 アフリカ諸国など [リージョン6] 中国 [リージョン7] 未使用 [リージョン8] 航空機や船舶の国際航路 日本は上記のように「リージョン2」となります。 お手持ちの国産DVDソフトのパッケージ(通常は裏面の下方)を見ると、リージョン2であることを示すマークが表示されているはずです。 (4) 「リージョンフリー」又は「リージョンオール」と表記されているDVDソフトもあります。リージョンフリーのDVDソフトは リージョンコードによる制限がなく、どのDVDプレーヤーでも再生できます。 リージョンフリーのソフトは海賊版が多いという意見を聞いたことがありますが、正規品でもリージョンフリーのソフトは たくさんあります。 リージョンコードの設定は販売会社が決めることができるので、販売会社の販売戦略等により、リージョンフリーにすることもあるのだと思います。 個人的な経験から思うのですが、リージョンフリーのソフトでも、「必ず再生できる」という保証はないようです。 以前、日本では販売されていない外国人アーティストのコンサートを収録したDVDソフト(もちろん正規版です)を通販で買いました。「リージョンフリー」であることを確認して買ったのですが、自宅のDVDプレーヤーで再生できず、がっくりしたことがあります。 このときはパソコンのDVDドライブでは再生できたので、助かりました。 DVDプレーヤーによっては、「リージョンフリー」のソフトを再生しないように設定されているのかもしれません。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 「バベルの塔」のお話って ご存じですよね。 「大昔、人間は 全て共通の言語を使って意思疎通していたが、人間が天に届くような高い塔を建てたために 神様が怒り、人間にバラバラの言葉を使わせるようにした。」 というような 話しです。 国や地域毎に別々にリージョンが設定されたDVDのことを考えると、どうしても この「バベルの塔」の話しを 思い出してしまいます。 (2) リージョンとは直接関係ないのですが、TVの出力方式(映像信号)も国や地域毎違いがあります。 「NTSC方式」、「PAL方式」、「SECAM方式」が 有ります。これらは水平走査線数などに違いがあります。 例えばヨーロッパ諸国は「PAL方式」、日本は「NTSC方式」を採用しているため、たとえリージョンが同じでも、日本で使われているDVDプレーヤーではヨーロッパのDVDソフトを再生できないことが多いです。 (3) どの様なリージョンコードのDVDソフトでも見ることができる「リージョンフリーDVDプレーヤー」をインターネットの通信販売で よく見かけます。これはソフトではなく機器の方をリージョンフリーにしています。 上記の出力方式の変換、例えば「PAL方式」から「NTSC方式」への変換もできるタイプが多いです。 つまり、これを使えばリージョンコードが異なる外国のDVDソフトも見ることができます。例えば韓国でしか販売されていない韓国ドラマのDVDソフトを日本で見ることができます。 さすがに国内の大手メーカーでは作っておらず、輸入品がほとんどのようです。 このような「リージョンフリーDVDプレーヤー」が法的に問題があるのかどうかは 私には はっきりわかりませんし、ここで個人的な考えを述べるつもりもありません。 インターネット上でも色々な意見が出ていますので、興味のある方は調べてみてください。 |
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