わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
知的資産(ちてきしさん) |
知的資産とは、財務諸表に表れない無形の資産(経営資源)の総称です。 「見えざる資産」などと呼ばれることもあります。 「知的財産」と混同されやすいのですが、「知的資産」は「知的財産」も含む大きな概念であり、その他にも色々な無形資産を含みます。 (1) 企業価値は財務諸表に表れる資産だけでは決まりません。 例えば「人材」、「技術」、「経営理念」そして「知的財産権」なども会社の資産です。 もう少し具体的に言うと、「社員に塗装の名人がいる」とか「企業イメージ」とか「業務マニュアル」とか「お客さんとの良好な関係」とかも知的資産に含まれます。 (2) 知的資産は、いずれも自社にとっては「強み」となります。 このような「知的資産を活用して経営をする」という考え方を「知的資産経営」と呼びます。 そのためにはまず、「見えない」知的資産を把握して、「見えるようにする」ことが大切となります。 そのための手段が「知的資産経営報告書」です。これは、自社の知的資産にはどの様なものがあり、どのように活しているか、今後どのように活かす予定なのか等を説明する報告書です。 この「知的資産経営報告書」は、関係者、例えば株主,取引先,社員,金融機関,就職希望者などとのコミュニケーションツールとして利用されます。 (3) 個人的には「知的資産経営」という考え方のメリットが、まだ十分に理解できていないのですが、少なくとも次のようなメリットがあると思います。 【自己認識に基づくビジョン作成】 自社の過去から現在を棚卸することにより、自社の強みを認識することができる。 その自社の強み活かして将来の収益に結びつけるためのビジョン(方針)を示すことができる。 【外部にアピール】 将来のビジョンを「知的資産経営報告書」を使って外部にわかりやすいストーリーとしてアピールすることができる。 このようなアピールは、金融機関にとっては融資の判断材料となり、就職希望者にとっては就職の判断材料となる。 企業のイメージや将来性に対する期待を高めることができ、資金調達や人材確保がしやすくなる。 【社内教育】 会社のビジョンを「知的資産経営報告書」を使って社員にわかりやすく伝えることができる。これにより、社員と経営方針を共有化することができる。 (4) 「知的資産経営」についての詳しいことは 経済産業省のサイト を 参照ください。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 「知的資産経営」とかいいますと、すごく斬新なイメージを受けますが、よく考えると似た考えは以前からあります。 例えば、中小企業家同友会では、会員に 「経営理念」 を作る。 「経営指針書」 を作って実践する。 ということを かなり以前から強く推奨しておられます。 経営指針を考える段階で、自社の資源(強みなど)について考えますので、これも一種の「知的資産経営」ということになるのではないかと思います。 (2) 個人事業や小企業でも、自分の強みを把握して、それを活かした経営をするのは大切なことだと思います。 皆さんの会社、又は ご自分の「強み」は何でしょうか? すぐに答えられない場合は、一度 ゆっくり考えてみる価値はあると思います。 (3) 「**の匠」とか「**の神様」と呼ばれる名人級の社員さん がおられる会社もあると思います。 例えば、「大きな金属板を微妙に曲げ加工できる人」、「ものすごい精度でレンズを研磨できる人」など、コンピュータ制御の製造機器では真似できない職人技(神業)を持っている人です。 このような名人は、会社にとって貴重な「人的資産(人的な知的資産)」となります。 昨今では名人社員の高齢化なども問題になっているようですが、このような「技能」は言葉として別の人に伝達するのが不可能に近いので、後継者を育てるのは大変なのでしょうね。 |
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