「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
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 セカンドライン



 セカンドライン とは

 メインとなる高級ブランドとは別に設定される普及版ブランドのことです。


(1)
 セカンドラインは、ディフュージョンブランド、ビスブランドなどと呼ばれることもあります。


 高級ブランドの商品は高価なので誰でも買えるというものではありません。そのため、客層が狭くなります。しかし、固定客だけでは、売り上げの大幅な拡大は難しいです。


 そうかと言って大衆向けの普及品を販売したのでは、「高級」であるというブランド価値が低下してしまい、いままでの高級志向の固定客も離れていってしまいます。


 そこで、メインとなるオリジナルブランド(ファーストライン)とは別に、セカンドラインとしてのブランドを立ち上げて、値段の安い普及品を販売します。


 例としては

   プラダの   「MIU MIU(ミュウミュウ)」

  ダナ・キャランの 「DKNY」

 などがあります。


(2)
 別ブランドといっても、客にはオリジナルブランドとの繋がり(関係)がわかります。そして、オリジナルブランドの知名度やイメージがありますので、今までオリジナルブランドに手が出なかった若い人など広い客層が購入するようになります。


 これによってオリジナルブランドの高級なイメージを守りつつ、広い客層に普及品を提供することができるようになります。そして、会社としては売り上げが伸びます。


 セカンドラインの商品群は、オリジナルブランドの雰囲気を感じさせるような商品で、材質,加工,デザインなどの品質やサービスを少し下げたような商品になることが多いです。



(3)
 セカンドラインの客は、やがて成長し、目も肥えて、所得も増えると考えられるので、ステップアップしてオリジナルブランドの客に成ってくれることがあります。


 つまり、セカンドラインは「客を育てる」という役割も有ると言えます。



(4)
 仮にセカンドラインが不評でも、別ブランドなのでオリジナルブランドが傷つくリスクを減らすことができます。極端な場合は、セカンドラインを切り捨てることもあります。


 実験的というか冒険的な製品をセカンドラインでテストし、それを熟成させた商品をオリジナルブランドで売るというやり方もできると思います。



               ☆              ☆

[関連事項と経験談]

(1)
 セカンドラインは、主にファッション業界で使われていますが、他の分野でも同様なブランド展開を見かけます。


 例えば、有名な腕時計メーカーが、自社ブランドを製品に付けずに、新規ブランドで安価な腕時計を製造,販売していたことがありました。


 また、高級ホテルや老舗旅館が別の名前の比較的安価なホテルや旅館の経営に乗り出すこともあります。


 これらも ある意味、セカンドラインと呼べるかもしれません。



(2)
 トヨタ自動車さんが「LEXUS(レクサス)」というブランドで高級車を販売しておられます。このような場合、普及版ではなく逆に高級版なのでセカンドラインとは呼ばないと思います。



(3)
 セカンドラインを「姉妹ブランド」と呼ぶ方もおられますが、個人的には「姉妹」にしては格差が大きいような感じがして、違和感があります。


 もちろん「妹」の人気が高まれば、「姉」との格差は小さくなっていくとは思いますし、「妹」の方がお金儲けは上手いかもしれませんが・・・。



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