わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
移転登録 (いてんとうろく) |
移転登録とは、 特許権,商標権などの権利者が別の人に変わったことを特許庁の原簿に登録することです。 (1) 特許権,商標権などは財産権ですので、他人に譲渡することができます。但し、当事者間の合意や契約だけでは移転したことにはなりません。 移転させるためには、特許庁に移転登録の手続をし、移転登録をしてもらわなくてはなりません。 誰が権利者であるのかを 誰にでもわかるようにしておく必要があるからです。 (2) 例えばAさんが自分の商標権をBさんに譲渡しても、移転登録しなければ、商標権者は まだAさんということになります。 (移転登録すればBさんが商標権者になります。) 他人の権利を譲り受けたような場合は、必ず移転登録の手続をしましょう。 (3) 移転登録の手続としては、特許庁に「移転登録申請書」を提出します。 例えば 商標権を移転した場合でしたら「商標権移転登録申請書」を提出します。 「移転登録申請書」には、「譲渡証書」を添付します。 「譲渡証書」というのは「AさんがBさんに 特定の権利を譲渡したことを証明する書面」です。 (4) 詳しいことは 特許庁(電話:03−3581−1101)に お尋ね下さい。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 「社長個人が所有している権利を自分の会社名義にする場合」には注意が必用です。 実際に会社(法人)設立前に個人名義で商標権を確保しておき、会社設立後に権利を会社名義にすることは よくあります。 その場合、立場上「利益相反行為」として問題になることがあります。 それを回避するためには、原則として「取締役会の承認」 又は「株主総会の決議」が必要となります。 無償で譲渡すれば「利益相反行為」と判断されないので上記の「取締役会の承認」などは必要ないのですが、譲渡証書に「無償にて譲渡した」ことを書いておく必要があります。 (2) 手続上の注意 「移転登録申請書」と、それに添付する「譲渡証書」には所定額の収入印紙を貼らなくてはなりません。 その際、まず注意しなくてはならないのは「特許印紙」ではなく「収入印紙」である点です。 「特許庁に提出する書類に貼る印紙は特許印紙である」と思いこんで「特許印紙」を貼ってしまう人がたまにおられます。 移転登録関係は普通の「収入印紙」ですから、間違えないように注意してください。 次に注意するのは印紙の「割印」です。 (割印というのは印紙と、その印紙を貼った書類の両者に またがるように おされる印のことです。) 「譲渡証書」に貼った収入印紙には割印が「必要」です。 でも、「移転登録申請書」に貼った収入印紙には割印は「不要」です(というか、割印してはいけません)。 これも 間違いやすいですね。私もたまに「どっちだったっけ?」と思うことがあるので、手続の前には書式集などを見て必ず確認するようにしています。 (3) 持っている権利の全てを譲渡する場合の他に、持っている権利の一部(例えば半分)を譲渡することもできます。これを「一部譲渡」といいます。 この場合、例えば商標権なら「商標権の一部移転登録申請書」に「一部譲渡証書」を添付して提出します。 移転登録により権利は 共有となります。つまりAさんが権利の「一部」をBさんに譲渡し、それが移転登録されると、その権利は AさんとBさんの共有となります。 詳しいことは また別の機会に説明します。 (4) 特許事務所に移転登録のための書類作成を依頼することもできます。 私も最近、移転登録のご依頼を受けることが多いのですが、「権利(特に商標権)って案外たくさん移転されているのだなー」と思いました。 |
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