「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


 [指定商品]

  
  
 [指定商品(していしょうひん)]


 商標登録出願をする際には、その商標を独占的に使いたい商品又は役務(サービス)を指定(特定)します。

 この指定された商品のことを「指定商品」といいます。

 同様に、指定された役務のことを「指定役務」といいます。



(1)
 商標登録出願をする際には、1つ以上の商品又は役務を指定します。複数の商品,役務を指定することもできます。


 例えば 商品の場合は

    第29類 「加工水産品,乳製品,豆腐」

 役務の場合は

    第43類 「宿泊施設の提供,飲食物の提供」

 のように指定します。


(2)
 出願中に手続補正により指定商品や指定役務を一部削除することができます。

 例えば、「パン」と「小麦粉」を指定しており、その内「小麦粉」についてのみ拒絶理由があって登録できない場合、手続補正書を提出して指定商品を「パン」に限定(「小麦粉」を削除)すれば拒絶理由は無くなるので商標登録を受けることができます。



(3)
 指定商品,指定役務を追加するような手続補正はできません。

 たまに、同じ商品区分内であれば追加できると誤解している方がおられますが、登録後はもちろん、出願中でも指定商品の追加はできません。

 出願の際には指定商品に「漏れ」がないか注意してください。


 尚、他の商品,役務についても商標登録を受けたい場合は、別に 新たな商標登録出願をすれば良いです。
 (費用的には ちょっと勿体ないですが・・・)



(4)
 同じ商品区分内において多数の商品を指定した場合、「本当にそのような広い範囲で使用しているのか疑わしい」として 拒絶理由通知書が送られてくることがあります。

 この場合は、使用している証拠などを意見書で提出すればよいです。



               ☆              ☆

[関連事項と経験談]

 
(1)
 ときどき、個人の方から

「商標の出願をしたのだけれど拒絶理由通知を受けたので、対応策を相談したい」

というご相談を受けることがあります。


 でも、そのなかには、拒絶理由以前の問題として商品や役務の指定が適切でなく、そもそも出願内容自体に問題がある場合もあります。

 出願人の方が、勘違いや思い込みから、変な指定をしてしまっているのです。


 実際の例ではありませんが、例えば次のようなパターンです。

   〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 

 あるパン屋さんは、注文を受けると自分の店で焼いたパンをお客さんの家まで届けるという顧客サービスをしています。

 そのパン屋さんは商標登録出願をしましたが、拒絶理由通知を受けたので相談に来られました。


 出願書類を見せてもらうと、指定役務は「車両による輸送」となっています。


 パン屋さんなので、本来なら「パン」という商品を指定するか、「パンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」のような役務を指定すれば良いのですが、なぜ「車両による輸送」を指定したのでしょう?


 話しをよく聞くと、「自動車でパンを配達する」ことがお客さんに好評なので、「車両による輸送」という役務を指定したらしいのです。


 「他人から預かった物を宅配便のように配達するようなこともあるのですか?」

 と尋ねると、
 
 「自分の店のパンを買ってくれたお客さんに無償で配達しているだけ。」

 とのこと。


 それなら、配達は独立した役務ではないので、指定役務が「車両による輸送」では変ですね。この役務は宅配便やトラック輸送等の会社などが指定する役務です。

 
 仮にこのような指定役務について、商標登録を受けたとしても、このパン屋さんの業務とは直接関係のない役務なので、あまり意味がありません。


 そこで、「車両による輸送」を指定した出願については権利化を断念して、別途、適切な商品又は役務を指定した新たな出願をされることになりました。

    〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 
(上記は実際の話では有りませんが、このような相談はよくあります。)



(2)
 古い商標公報を見ていると

 「第11類 電池,その他本類に属する商品」

 というような指定をしているのを見かけることがあります。


 昔は1つの商品区分を包括して指定する、いわゆる「全類指定」という指定の仕方が認められていたためです。

 現在では、このような全類指定は認められていません。
 



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