わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
[総合小売等役務(そうごうこうりとうえきむ)] |
総合小売等役務とは、 百貨店や総合スーパーのように、衣料品,飲食料品,生活用品を一括して取り扱う小売等に関する役務(サービス)のことです。 (1) 商品の小売や卸売をしている人は、いわゆる小売等役務を指定して商標登録を受けることができます。 その際には、どの様な種類の商品を販売しているのかを特定しなくてはなりません。 例えば 食品スーパーなら 「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 自動車販売店なら 「自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 のような指定をします。 (2) 但し、衣料品,飲食料品,生活用品等の各種商品を網羅的に取り扱う百貨店や総合スーパーのような総合小売店等の場合は、いわゆる「総合小売等役務」を指定することができます。 具体的には 「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 のような指定をします。 (3) 「総合小売等役務」を行っている者として認められるためには、次のような基準があります。 (A) 取扱商品の品目が、衣料品、飲食料品及び生活用品の各範疇 にわたる商品を一括して1事業所で扱っていること。 (B) 百貨店や総合スーパー等の業態であること(衣料品、飲食料品 及び生活用品の各範疇のいずれもが総売上高の10%〜70%程度 の範囲内であること)。 したがって、衣料品と飲食料品と生活用品とを販売をしていたとしても、一部の商品、例えば「飲食料品」の売り上げが極めて少ないような場合は「総合小売等役務」を指定した商標登録を受けることができません。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 個人が「総合小売等役務」を指定して出願した場合は、拒絶理由通知が送られてきます。 本当に「総合小売等役務」を行っているのか疑わしいと判断されるためです。 でも、個人には「総合小売等役務」を指定した商標の登録を絶対に認めないと言う趣旨ではありません。 個人商店のような場合であっても「総合小売等役務」をしているという証拠を提出すれば、登録を受けられる可能性は有ります。 (2) 「総合小売等役務」が指定された出願について、「特許庁で職権調査した結果、出願人が総合小売等役務を行っているとは認められない場合」も拒絶理由通知が送られてきます。 この「職権調査」ついて特許庁の審査官に尋ねたところ、現在のところはインターネットで調べる程度のことで、実際に現地に行って店舗を確認するようなことまではしていないとのことでした。 こちらも、実際に「総合小売等役務」を行っている証拠を出せば、登録を受けられる可能性があります。 (3) 「総合小売等役務」を「特定小売等役務」(特定商品の小売等役務)に変更する補正は認められません。 また、反対に「特定小売等役務」を「総合小売等役務」に変更する補正も認められません。 「総合小売等役務」は「特定小売等役務」の集まりではなく、一つの独立した役務だからです。 (4) 実際の店舗を持っていないインターネットショップのような通販店であっても「総合小売等役務」を指定できる場合があります。 但し、運営者が同じでも「飲食料品の販売用ホームページ」、「衣料品の販売用ホームページ」、「生活用品販売用ホームページ」のように別々のホームページで販売しているような場合は、「各種商品を一括して取り扱う」という条件に合致しないので、「特定小売等役務」を行っていることにはなりません。 |
わかっちゃう! 知的財産用語のトップに戻る |
メルマガ(2誌) 好評発行中 (無料) |
「商標・サービスマーク」 ど〜んと来い! (マガジンID:0000117418)
メールマガジン登録
西川特許事務所のトップページ |
西川特許事務所 所長 弁理士 西川 幸慶 住所 兵庫県西宮市東山台3丁目9−17 電話 0797-61-1841 FAX 0797-61-1821 Eメール pat@jpat.net |