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[看者(かんじゃ)] |
看者とは、 ある対象物を見る人のことで、特に「意匠」を見る人を指す言葉として使われます。 意匠が類似しているかどうかの判断をする際に、その判断をする人(主体)として想定されます。 (1) 看者は特定の具体的な人物ではなく、その意匠を見るであろう人を想定しています。 物品によって想定される看者は異なることになりますが、典型的にはその物品の需用者をイメージすると良いと思います。 例えばゴルフクラブの意匠でしたら、ゴルフクラブを買う人は看者に該当するでしょうが、ゴルフに全く無関心の人は該当しないと思います。 ゴルフに全く関心がない人からすれば「みーんな一緒」に見えてしまうゴルフクラブも、ゴルフクラブを買うような人ならヘッドの微妙な形状の差も認識して「おーっ、これは斬新だ」と思うかもしれないですね。 そのため、ゴルフクラブの意匠が類似しているかどうかは、ゴルフクラブを買う人などを看者として想定し、そのような人の認識力などを考慮して判断します。 (2) 意匠の類似が問題となる場合、例えば意匠登録の中間手続や、意匠権侵害の訴訟などでは、類似するか否かを争うことになりますが、その際に看者の認識に着目して主張することがあります。 そのような関係の書類を見ると 「看者の注意を引く」 「看者の注意を引かない」 「看者の注意を最も強く引く」 「看者の印象に強く残る」 「看者に与える印象が微弱」 「看者に共通の美感を与える」 「看者は**部分に強い関心を持つと思われる」 などの表現を見ることができると思います。 (3) 看者が注目する部分の相違は大きく評価されますし、反対に看者がほとんど注目しない部分(例えば、販売時や使用時にほとんど見ないような部分)の相違については小さく評価される傾向があります。 例えば一般的にコピー機やプリンターは、上面や前面や側面のデザインは目につくので注意を引きやすいですが、背面については比較的注目されにくく、底面となると(裏返して見る人も少ないでしょうから)更に注意を引きにくいと考えられます。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) お客さんとの打ち合わせでは専門用語はあまり使わないようにしていますが、つい「看者」と言ってしまったことがあります。 お客さんとは「患者」と誤解されたようで、「えっ、病気やケガをしている人とどういう関係があるのですか?」と驚いておられました。 ちなみに「看者」の「看」は、「看護士」の「看」と同じなので、文字を見ても「病院」を連想する人もいるかもしれませんね。 |
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