わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
[過誤納(かごのう)] |
過誤納とは、 手数料や登録料を誤って納付することです。一般的には、納付すべき額よりも多く納付してしまうことを指します。 (1) 特許庁に手続をする際に、所定の手数料を納付しなくてはならない場合があります。例えば特許出願の際の出願料や、出願審査請求の際の審査請求料などです。 また、登録を受ける際や、権利を維持するためには特許庁に登録料(特許料)を納付しなくてはなりません。 手数料や登録料は特許法や商標法などで定められており、決められた通りの額を納付する必要があります。 (2) ところが、思い違いなどから 決められた額を超える手数料,登録料を納付してしまうこともあります。 そのような多すぎる納付をすると、「過誤納」となります。 (3) 「過誤納」の手数料,特許料,登録料は納付した者が請求すれば返還されます。但し、納付した日から1年以内に請求しなくてはなりません。 返還の請求をする際には、「既納手数料返還請求書」又は「既納特許(登録)料返還請求書」を特許庁長官に提出します。 書類には過誤納した手続書類名,提出日,返還請求金額などと共に、「返還金振込先」として「金融機関名」,「口座番号」,「口座名義人」などを記載します。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 近年では、電子出願(オンライン出願)が普及してきたため、紙の書類に特許印紙を貼り付けて手続することは少なくなってきました。 この場合、「予納」を利用することが一般的です。 これは、予め特許庁に特許印紙を預けておいて、必要な時に必要な額を申し出て納付することのできる仕組みです。特許庁に特許印紙をキープしているような感じですね。 参考)「予納」 予納から納付した手数料や登録料が過誤納であった場合、納付した者が返還請求をしなくても余分の額が予納台帳に返納されます。 私は過誤納をした経験がないので特許庁に尋ねたところ、そのような場合には納付した者に「過誤納なので返納した」ことを連絡してくれるそうです。親切ですね。 (2) 過誤納は納付した額が「多すぎる」場合ですが、納付した額が「少なすぎる」場合には手続補正指令書が送られてきます。 その場合、手続補正書を提出することにより不足分を納付することができます。 (3) 昨年、商標の出願料,登録料などが引き下げになりましたが、近年このような料金に関する法改正が何回かありました。 古い法令集や料金表などを参考にしていると、改正前の額を納付してしまうおそれがあります。 納付の際には、現在の手数料,登録料を確認し、過誤納又は料金不足にならないように注意しましょう。 (4) 余談:大昔の話。 20年以上昔の話ですが、過誤納の場合 書類に貼り付けていた印紙を剥がして返してくれたそうです。そして、返してもらう際に便利なように、納付の際には小額の印紙をたくさん貼るようにしていたそうです。 なんだか「時代」を感じる話ですね。 |
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