「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

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特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
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  審査請求料の繰延制度


 審査請求料の繰延制度とは、

 審査請求料の納付を1年間繰延できる制度のことです。


(1) 
 特許出願は出願しただけでは審査されません。特許権を取得したい場合は、出願から3年以内に「出願審査請求」という手続をして審査してもらう必要があります。


 この出願審査請求をする際には、審査請求料を納付する必要がありますが、この審査請求料は原則として審査請求の手続と同時に納付しなくてはなりません。


(2)
 この審査請求料の額は、

  168,600円+(4,000円*請求項数)

 です。

 例えば 請求項が「5」ならば、188,600円と なります。

 結構な額ですね。


(3)
 最近は景気が良くないので、高額の審査請求料を納付するのは出願人にとって、資金的に大きな負担となります。


 そこで緊急の措置として、出願人の資金的な負担を軽減するため「審査請求料の繰延制度」が始まりました。


 この制度を利用すれば、平成21年4月1日以降に行われる出願審査請求については、出願審査請求書の提出日から1年間、その納付を繰延することができます。



(4)
 納付の繰延を希望する出願人は、出願審査請求書において納付繰延の意思表示を行います。


 尚、出願審査請求は自分の特許出願だけでなく、他人の特許出願についても行うことができますが、他人の特許出願についての出願審査請求の場合は、審査請求料の繰延制度は適用されません。



(5)
 繰延期間が過ぎでも審査請求料を納付しない場合は、手続補正指令書が送られてきます。それでも納付しなければ、出願審査請求は却下処分となります。


(6)
 詳しいことは 特許庁のホームページを参照ください。。
 
                ☆              ☆

[関連事項と経験談]


(1)
 今回の審査請求料の繰延制度は、あくまでも「緊急措置」であり、平成21年4月1日から2年間だけ実施される予定です。


 只、景気が回復しない、又は更に悪化した場合は、制度運用期間が延長される可能性もあるかもしれません。



(2)
 個人的には、「資金的負担の軽減」という意味では なんだか中途半端な制度のように思えます。

 審査請求料の大幅な引き下げでしたら更に効果があるように思いますが、私などにはわからない難しい事情が いろいろあるのでしょうね。



(3)
 こんなことを言うのはマズイのかもしれませんが、実質的に審査請求するかどうかを検討できる期間が4年になるという点ではメリットがあると思います。


 つまり、とりあえず出願から3年ギリギリに出願審査請求をしておき、本当に審査してもらう必要があるのかを1年間の繰延期間中に検討することができるというメリットです。


 そして、検討の結果 審査してもらう必要が無くなったと判断した場合、審査請求料を納付せず、出願審査請求を却下してもらうことができますので、資金的負担がかかりません。


 たかが1年間のことですが、新しい技術の開発や市場動向などにより権利化する必要性が変わってくるので、審査が必要な出願を厳選する上で貴重な期間になると思います。



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