わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
ネーミングライツ (Naming rights) |
ネーミングライツとは、 名前をつける権利、つまり命名権のことです。近年では施設に名前を付ける「施設命名権」のことを指すことが多いです。 (1) ネーミングライツというと、以前は新しく見つけられた天体や生物などに、発見した人が名前をつけることをイメージしましたが、近年では施設の名称をつける「施設命名権」のことを指すことが多くなってきました。 これは、スポンサーが費用を払って、期限付きで施設の名称をつけるというがものです。 例えば、野球場,体育館などの施設にスポンサーの企業名や商品名などに由来する名称を付けるような場合が多いです。 (2) ネーミングライツは、公共施設を所有している地方自治体が、施設の運営資金の調達などを目的として募集する場合がほとんどです。 スポンサーとなる企業としては、企業名や商品名などをPRして知名度を高めることができます。特にプロスポーツの試合が行われるような施設の場合、新聞やTV等で取り上げられることが多いのでPR効果はとても大きなものとなります。 また、地域に貢献することにもなり、地元住民からの好感度が高まることも期待できますし、スポーツなどを支援している企業としてイメージが良くなることもあるでしょう。 更には、その企業で働く人達のモチベーションを高めるというような効果も有ると思います。 (3) ネーミングライツの費用は、対象となる施設の規模,利用状況や、名称を使用する期間などを配慮して決められますが、高いものだと年間5億円というのもあるそうです。 (4) ネーミングライツの契約期間は決まっていませんが、2年〜5年程度の契約となっているものが多いようです。 でも個人的には5年としても短いと思います。同じ施設なのに5年ごとに名前が変わったのでは紛らわしいですよね。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 私は、相談者のご自宅まで訪問する出張面談をしているのですが、以前、面談を希望される方が 「***スタジアムの近くに住んでいます」 と言われました。 一瞬、どこなのかわからなかったのですが、聞いてみると 私のよく知っている球場がネーミングライツの関係で名前が変わっていたのでした。 慣れるまでは 戸惑いますね。 (2) 施設全体ではなく、その施設の一部分についてのネーミングライツというのも有ります。 例えば、観客席に「***スタンド」、「***シート」のような名前を付けることがあります。 (3) ネーミングライツを募集する施設としてはスポーツ施設や会館等が多いですが、駅やバス停の名前、道路の通称などもネーミングライツの対象となっていることがあります。 変わったところでは、「公衆トイレ」がネーミングライツの対象となっていることもあります。(さすがに応募は少ないようですが・・) またコンサートや野外フェスティバルなどのイベントなどについて、イベント名にスポンサー名を冠することがありますが、これも一種のネーミングライツといえると思います。 (4) スポンサー企業が不祥事を起こしたような場合は、契約期間中でも名前が変更されることがあります。 施設運営者としては、そのようなことにならないように、しっかりとしたスポンサー企業を選定しなくてはなりません。 只、以前 ある施設のネーミングライツに応募した企業が「ふさわしくない」として拒否されたことがありましたが、選定基準や選定理由は住民にも応募企業にも納得できるようにして欲しいと思います。 (5) スポンサー企業としては名前を有名にする手段ではありますが、大きすぎる看板など、あまりに宣伝色が強すぎると却って反感を買う怖れもあると思います。 公共施設は住民の物ですから、企業がまるで施設の所有者であるかのような態度をとれば、地元の人からも不評となるでしょう。 このあたりのさじ加減は、なかなか難しそうですね。 |
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