わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
自炊(じすい) |
自炊とは、 書籍,雑誌などを自分でスキャンして電子化することです。 もちろん法律用語ではなく俗語です。インターネット上でよく見かけます。 (1) 近年では「電子書籍」を読むことのできる小型機器が普及しつつあり、携帯電話でも電子書籍を読むことができる場合があります。 電子書籍は有料で購入できますし、以前に紹介した青空文庫などから無償ダウンロードすることもできます。 参考:「青空文庫」 電子書籍は紙の本や雑誌と違って、たくさんの内容を小さな機器に入れて簡単に持ち運ぶことができるというメリットがあります。 紙の本をたくさん保管しようとすると書庫や本棚等の保管スペースが問題となりますし、きちんと整理して保管しないと多くの蔵書の中から特定の本を探すのも難しくなります。 一方、電子書籍ならかさばらず保管でき、検索機能などにより管理しやすいというメリットがあります。 (2) しかしながら、まだ電子化されていない書籍や雑誌,コミックなどは たくさんあります。 読みたい本が電子化されるのを待っていてもよいのですが、電子化される予定すらわからないことも多く、特に古い本や雑誌となると電子化をあまり期待できません。 そこで、自分で紙の本を電子化してしまおうとする人が出てきます。このように自分で本や雑誌を電子化することを「自炊」ということがあります。自分でやるので「自炊」と呼ばれるのだそうです。 (余談ですが「自炊」って、なんだか奇妙な呼び方ですね。最初に聞いたときは「ご飯を炊いている様子」をイメージして笑ってしまいました。) (3) 「自炊」の一般的な流れとしては、まず「裁断機」で本や雑誌をページごとにカットします。製本したままの状態ではスキャンしにくいからです。 そのカットしたページを順にスキャナで読み込んで電子化するのですが、スキャナとしては「ドキュメントスキャナ」を用いるのが一般的です。 ドキュメントスキャナというのは、ADF(原稿自動送り装置)を備えていて、複数枚の原稿をセットして自動的に次々にスキャンすることのできるスキャナです。 フラットベッドスキャナのように1枚ずつ手でセットしなくてもよいので、効率的にスキャンすることができます。 ちなみに裁断機もドキュメントスキャナも、安価なタイプだと個人でも購入できそうな価格で販売されています。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) ネットオークションで絶版の本を探していると 「自炊したので裁断ずみです。」 と注意書きされた本の出品がありました。 つまり、その出品されていた本は、裁断されて1ページずつバラバラの状態になっているということになります。 私は普通に読みたいので、さすがにバラバラになった本を買いたいとは思いませんでした。 (2) 自分で買った本を自分で電子化すること自体は私的利用の範囲なのでよいのですが、「電子化データ」を譲渡するようなことは著作権の関係で問題となることがあります。複製物の配布となってしまうことがあるからです。 また、厳密には紙の書籍を電子化した後に、電子化データを手元に残したままで、その書籍を他人に譲渡することも問題があると思います。 (3) 個人的にはまだ電子書籍にはなじめません。画面上で見て読むのが疲れるからです。 (電子化された特許公報も一度 紙にプリントしないと読む気になりません。) でも、私も本の置き場所には困っているので、紙の本を読んだ後に電子化して保管できたらいいなと思うことはあります。自炊しようとまでは思いませんが・・・ (4) 先日、TVを見ていると本を裁断しなくても高速でパラパラめくるだけでスキャンする装置が紹介されていました。そのような装置が一般化すると古い書籍や裁断できない貴重な書籍の電子化も一気にすすむのでしょうね。 |
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