わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
デジタル万引き |
デジタル万引きとは、 書店などで、本や雑誌を購入することなく、その内容を携帯電話機のカメラ等に撮影する行為のことです。 (1) 本や雑誌は単なる紙の束ではなく、そこに書かれている情報にこそ価値があります。 写真集や画集の場合は本自体を「所有する」という喜びがありますが、一般的な本や雑誌の場合、私たちが購入するのは所有したいというより本や雑誌に書かれている情報を知識として得たいからだと思います。 (2) 近年、デジタルカメラの普及や、携帯電話機のカメラ機能の向上などに伴って、書店やコンビニで本や雑誌を買わずに撮影して、あとで撮影した画像を見て読むという行為が問題視されています。 このような行為は「デジタル万引き」と呼ばれています。 書店等にとっては商品の売り上げにつながらないので、困った問題です。 昔から、書店が嫌がる迷惑行為として「立ち読み」がありましたが、立ち飲みの場合は読むのに時間がかかりますし、大量の内容を正確に記憶しておくことも難しいです。 それに対してデジタル万引きの場合は一瞬の撮影で多くの情報を正確に記録できるので、立ち読み以上に切実な問題だと思います。 (3) この「デジタル万引き」ですが、撮影したものを他人に配布したり、インターネット上に公表したりすれば著作権法違反として対処も可能です。 しかし、撮影する行為自体は「私的複製」の扱いとなると考えられるので、違法して取り締まることが困難です。 それ自体 明確な違法行為ではないため、書店ではデジタル万引きをやめてもらうために、頭を悩ませているようです。 ある書店では「本・雑誌の撮影お断り」という張り紙をしていました。 以前 書店の店員さんから聞いた話ですが、撮影している人に注意をしても聞き入れてもらえず、逆に「何が悪い。減るものでもないのに。客に対して失礼だ。」と機嫌を損ねてしまったこともあるようです。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 「デジタル万引き」が「モラルやマナーの問題」として解決できればよいのですが、人によって考え方も違うでしょうから簡単に解決できないと思います。 いずれ法律が改正されて、明確に規制されるようなこともあるかもしれません。 (2) 雑誌の場合、読みたい記事が数ページしかないことも多いです。雑誌によっては広告や事実上の広告ともいえるタイアップ記事だらけで、記事は数分で読めてしまうようなものもあります。 そのような内容の薄い雑誌を「買うまでもない」と思ってしまう心理はわからないでもありません。 読みたい記事がたくさんあれば、あえて何ページも撮影して読みにくい画面で読もうとする人も少なくなるかもしれません。でも、出版社にとって広告収入は重要なので簡単に「広告より記事を充実させれば良い」というわけにもいかないのでしょうね。 |
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