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デジタル古書 |
デジタル古書とは、 簡単に言うと「電子書籍の古本」のことです。 (1) 書籍といえば紙に印刷された印刷物としての「本」をイメージしますが、近年では電子書籍(デジタル書籍、デジタルブック等とも呼ばれます)も普及しつつあります。 電子書籍は本などの内容(コンテンツ)を電子情報としてダウンロードし、パソコン,専用端末(電子ブックリーダー),スマートフォン等に表示させて読みます。 購入した電子書籍は、著作権保護の点からダウンロードした端末でしか読むことができない等のプロテクトがかかっており、原則として購入した人しか読むことができません。 よって、印刷物の書籍のように「読んだ後に古本屋に売る」ということはできません。 (2) ところで最近、欧州で「デジタル古書」について肯定的ともとれる判決が出たと話題になりました。 その判決は、「ソフトウェアを買った者が、他の者に転売することを認める」というような内容でした。 その判決を見た人たちの間で「購入した電子書籍の転売」である「デジタル古書」も同様に認められるのではないかと興味を持たれているのです。 実際に「デジタル古書」が認められるようになるかどうかは わかりませんが、今後に注目したいです。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 私も印刷物の古本については「古本屋」で買うことはあります。 でも、古本は汚れていたり、日焼けして紙が変質していたり、前オーナーが書いたメモ書きやライン引きがあったり、角に折り目があったり、なにか飲み物の「染み」がついていたり、たばこ臭かったりして「不快」に思うことがあります。 そこで「欲しさ(絶版,安い等)」と前記の「不快」とを比較して、「欲しい」が勝るときに買っています。 でもデジタル古書だと新品のままの品質を維持するので、印刷物の古本のように汚れることはありません。もしデジタル古書が認められれば、新品同様の品質で、値段が安いデジタル古書を好んで買う人も多いでしょう。 しかも デジタル古書を仕入れて転売する「デジタル古本屋」のような商売も出てくるでしょうから、売り買いも簡単になると思います。 同じ電子書籍が何回もデジタル古書として転売されることも考えられ、極端な場合 1つの電子書籍が100人以上に「回し読み」されるような場合も出てくるかもしれません。 そうなると出版会社や著作者への影響が大きいので、「デジタル古書」の売買が自由に認められることはなかなか難しいのではないかと思います。 |
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