わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
Fターム(えふたーむ) |
Fタームとは、 特許調査に使う一種の特許分類のことで、「File forming Term」の略語です。 (1) 特許の調査の方法には大きく分けると、公報などを「手めくり」で調べる調査と、データベースを使った機械検索(コンピュータ検索)とがありますが、Fタームは機械検索をしやすくするために作られました。 特許の分類というと国際特許分類(IPC)があります。そして、国際特許分類も機械検索に利用することができます。 しかしながら、技術分野によっては国際特許分類の分類の仕方が粗い場合や、分類の観点(切り口)が限られるため、国際特許分類だけでは必要な特許を絞り込むのが難しいことがあります。 Fタームは、国際特許分類と異なる色々な技術的観点、例えば「目的」,「用途」,「材料」,「製造方法」などの観点から分類されています。 (分類する観点は技術分野によって異なります。) これにより、Fタームを利用して国際特許分類とは別の切り口(観点)で調査することができ、国際特許分類では区別できなかった技術も区別して抽出することができます。 (2) Fタームはすべての技術分野に対して付与されているわけではなく、特定の技術分野に対して付与されています。ですから、Fタームが付与されていない文献(特許出願など)もあります。 1つの文献に複数のFタームが付与されている場合もあります。 (3) もともとFタームは特許庁の審査官が審査のために利用していたものですが、今は公開され一般の人でも利用することができます。 そして、特許庁のデータベースである「特許電子図書館(IPDL)」でもFタームを使った検索が可能です。 (4)具体的なFタームのリストや各テーマ(技術分野)の解説は特許電子図書館(IPDL)の「特許・実用検索」中の「パテントマップガイダンス」で見ることができます。 (私がここで説明するより、実物を見てもらった方が理解しやすいと思います。) ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 企業の特許部門で働いていた頃には よく特許調査をし、Fタームもよく利用しました。 当時は特許庁の特許電子図書館もなかったので、Fタームを使った検索をしたいときはPATOLIS等の有料のデータベースを使っていました。 Fタームのリストや解説書も冊子になったものを購入して使っていましたが、必要なFタームを探し出すこと自体が面倒でした。又、Fタームの内容更新に対応するのにも苦労しました。 今は特許電子図書館で比較的容易に必要なFタームを探し出して、そのFタームを利用して検索できるので助かります。 (2) Fタームは国際特許分類と異なり、日本独自のものです。 (3) 複数の観点から検索すると絞り込みがし易くなります。 変な例えですが、「麻婆豆腐」を作るときに使う豆腐のことを思い出していただくとイメージしやすいと思います。 「麻婆豆腐」に使う豆腐は2センチ角程度に切って使いますね。切るときには方向を90度ずつ変えて3方向から切ります。そして、最終的に大きな豆腐の中から2センチ角の小さな豆腐を取り出すことができます。 特許情報の検索も同様で、違う方向で切る(異なる観点で検索する)ことによって、狭い範囲の情報を選び出すことができます。 (4) 特許出願等にFタームを付与する仕事があり、特許庁の外郭団体が時々そのような仕事をする人を募集しています。主に企業を定年退職された技術者等、各技術分野に詳しい方が応募されるそうです。出願の内容を読んで最も適切なFタームを付与しなくてはならないので、結構手間がかかる仕事らしいです。 |
わかっちゃう! 知的財産用語のトップに戻る |
メルマガ(2誌) 好評発行中 |
「商標・サービスマーク」 ど〜んと来い! (マガジンID:0000117418)
メールマガジン登録
西川特許事務所のトップページに戻る |
西川特許事務所(オフィスニシカワ) 所長 弁理士 西川 幸慶 住所 兵庫県西宮市東山台3丁目9−17 電話 0797-61-1841 FAX 0797-61-1821 Eメール pat@jpat.net |