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任期付職員(にんきつき しょくいん) |
[ 任期付職員(にんきつき しょくいん)] 任期を限って(一定期間)特許庁に採用される職員のことです。 (1) 日本の特許出願の数は世界でもトップです。しかしながら、特許の審査を行う審査官の人数は少ないです。 そのため、審査に時間がかかり、通常ですと出願審査請求をしてから審査の結果が出るまで、2年近くも かかってしまいます。 審査に長期間かかることについては、国内はもとより、外国からも改善を求める声がたくさん出ています。 単純に考えれば、特許庁の審査官を大幅増員すればよいのですが、審査官は国家公務員なので、法律などの関係で、そう簡単には大幅増員できないらしいのです。 そこで、専門的な知識経験を有する民間人を一定期間に限って、「助っ人」的に採用して、審査を促進することになったようです。 (2) 任期付職員として採用されると、最初は「審査官補」となります。 そして、審査官補として審査官を補助しながら2年間の実務経験を積んで、所定の研修を修了すれば3年目は「審査官」に昇任することもできるそうです。 任期は「5年」ですが、有能な人は、任期終了後改めて採用される場合もあるそうです。 (3) 任期付職員の募集について興味のある方は、特許庁のホームページ をご覧下さい。 各地でときどき説明会も 行われるようです。 (4) ちなみに、今回の採用については採用基準は、 「原則として、理工、生物等の技術系の学士号を取得していること、及び学士号取得後、企業、大学・大学院、研究機関・施設、特許事務所等のいずれかにおける研究開発業務経験または知的財産業務経験を通算4年以上有していること。」 だそうです。 条件から言えば、私も該当します。 (頼まれても 絶対に応募しませんが・・・) ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 長期間雇ってくれるのなら良いですが、任期の5年が終われば「お役ご免」で失業者になってしまいます。 任期終了後の生活や再就職も考えておかないと応募するのは不安でしょうね。 (2) 個人的には、一定期間とはいえ、民間からの採用者が審査を行うというのは、なんとなく 気持ち悪いです。 そんなことはないと思いますが、例えば民間の「A社」に勤務していた人が、自分の働いていた「A社」の出願の審査について「贔屓目に見る」というようなことは絶対に無いのでしょうか? また、ライバル会社の出願に対して、普通より厳しい審査をしてしまうことは絶対にないのでしょうか? 極端な見方をすると、A社が一時的に社員を特許庁に送り込んで、情報収集や自社に都合の良い審査をさせたり、審査官との間に親密な関係を作り、任期終了後は再びA社の知的財産担当者として迎え入れるというようなことも あるかもしれません。 私の考えすぎなら良いのですが・・・ (3) もちろん民間人の採用について、特許庁もそのような弊害は考慮されていると思います。 利害関係のありそうな審査は担当させないようにするのかもしれません。 でも、その人が一番専門知識を持っている分野は、元の会社やライバル会社の業務分野でしょうから、その分野の審査をさせないと言うのも勿体ない気もします。 (4) 審査官として審査の事務に7年間従事した場合には、弁理士となる資格が取得できます。 (弁理士の中には、弁理士試験に合格した人以外に、このような特許庁OBの弁理士もおられます。) ですから、成績優秀で任期付職員に2回続けて(計10年間)採用されれば、任期終了後に弁理士に成ることも「理論的には」可能でしょう。 |
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