わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
称呼(しょうこ) |
[ 称呼(しょうこ)] 「呼び名」のことで、商標の呼ばれ方(発音のされ方)のことです。 例えば「SONY」という商標でしたら「ソニー」という称呼があります。 (1) 商標権は全く同じ商標だけでなく、登録を受けた商標と類似する(似ている)商標にまで権利が及びます。 又、商標登録を受ける場合にも、他人の登録商標との類似が問題となります。 そのため、商標が「類似」するかどうかという判断は、商標の登録や権利行使(差止請求や損害賠償請求)を考える上で、とても重要です。 (2) その「商標の類似」を判断する際に、比較対象となっている両方の商標の称呼が類似するか(似ているか)どうかが、判断ひとつの要素となります。 「称呼」が類似していれば、商標も類似していると判断されます。 (これを「称呼類似」と言います。) (3) 称呼が類似するかどうかの判断の仕方としては、「音節数」,「母音の相違」,「語の切れ方」,「音調」等いろいろ細かな基準が決められていて、とてもメルマガ上で説明できるようなボリュームではありませんので、詳しいことは説明しません。 只、大雑把なイメージとしては、 「一方の商標が呼ばれているのを聞いて、他の商標と間違えるおそれがあるかどうか」 を考えると良いでしょう。 間違えるおそれが強いのであれば、称呼が類似すると判断される可能性が高いと考えて良いです。 (4) 漢字にフリガナを付した商標の場合であっても、自然に読んで別の読み方ができる場合は、フリガナとは別の称呼が生じることがあります。 例えば、 「 紅梅 べにうめ 」 という商標の場合、「ベニウメ」と言う称呼が生じるほかに、「コウバイ」という称呼も(出願人が意図しているかどうかは問わず)生じます。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 特許庁の審査官は原則として「商標審査基準」に基づいて類似の判断しますので、それを読んで勉強するのが一番です。 この「商標審査基準」は一般の人でも入手することは可能です。 「特許庁商標課編 商標審査基準」という名称で、発明協会から発行されています。本というより「小冊子」のようなもので、630円だったと思います。 小さな書店やオンライン書店では入手し難いのですが、発行元の発明協会のホームページでも注文することができます。 各都道府県に有る発明協会の支部でも売っているかもしれません(大阪支部では売ってました)。 (2) 商標の類似を判断する際には、「称呼」以外に、「外観(見た感じ)」や「観念(意味からの連想)」の観点でも併せて検討します。 そして、「称呼」,「外観」,「観念」のいずれか一つでも類似すれば、商標は類似すると判断されます。 (3) 「商標を登録する際に、英語の他にカタカナでも出願しておく必要はありますか?」 という質問をよく受けます。 もちろん予算に余裕が有れば、どちらも出願しておくことは好ましいとは思いますが、普通に発音して同じ称呼になるのであれば、いずれか一方だけ登録しておく場合も有ります。 例えば、「SUPERMAN」と「スーパーマン」の両方を登録しなくても、「SUPERMAN」だけを登録しておけば、他人が「スーパーマン」という商標を使用することを禁止できます。2つの商標の称呼が類似するからです。 只、他人による使用を禁止するだけでなく、両方の商標を積極的に使いたい場合は、両方とも登録されることをお勧めします。 このことは「ひらがな」と「カタカナ」、「漢字」と「カタカナ」のような場合も同様です。 但し、外国語の場合、読み方が一般的でなく、どのように呼ばれるのかが直ぐにわからない場合もあります。そのような場合は、称呼が同一と判断されにくいことも有るので、カナでも登録しておいた方が良いと思います。 (4) 登録や権利行使にあたって「類似」の判断をする際には、商標の類似の他に「商品又は役務(サービス)」の類似も判断する必要があります。 そのため、商標が類似していても商標を使用している商品やサービスが異なれば、全体として類似しないという判断がされることがあります。 (ややこしくなるので、詳しいことは また別の機会に説明します。) (5) 「類似」の正確な判断は難しいです。類似するかしないか微妙な場合も多いからです。 ですから、専門家である弁理士でも類似するかどうかについて100%確実な判断をすることができません。 特許庁でも審査官は審査基準に従って判断していますが、人間の判断することなので、微妙な場合は担当する審査官により判断が異なることは有ると思います。 |
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