わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
[登録異議の申立て(とうろくいぎのもうしたて)] |
[登録異議の申立て(とうろくいぎのもうしたて)] 他人の商標が商標登録された際、所定期間内に「そのような商標は登録すべきではない」と特許庁長官に申立てることです。 (1)商標出願は特許庁で審査官に審査され、所定の登録要件(登録できるための条件)を備えた商標だけが登録を認められます。 しかしながら、「登録を認める」という審査官の判断に異論が有る人がいる場合も有ります。 そこで、商標法では「登録すべきでない」と考える人に、登録異議の申立てを認めています。 (2) 審査を無事クリアして商標登録されると、登録された商標は「商標掲載公報」に掲載されます。 この「商標掲載公報」が発行された日から2月以内であれば、誰でも登録異議の申立てをすることができます。 (3) 登録異議の申立ては「登録異議申立書」を特許庁長官に提出することにより行います。 「登録異議申立書」を提出する者は「登録異議申立人」という立場になります。 「登録異議申立書」には、その商標が「所定の登録要件をクリアしておらず登録すべきでない」と考える理由(「申立ての理由」)や、「証拠」などについて記載します。 (4)登録異議の申立てが有ると、特許庁長官はその事件を担当する3人又は5人の審判官(審査官より上の立場の担当者)を指定します。 そして、指定された審判官が「登録異議申立書」を見て合議して審理を行います。 尚、複数人の審判官で審理するのは審理の客観性や妥当性を高めるため、「3人又は5人」と奇数人なのは審判官の意見が分かれた時のことを考慮したためだと思います。 (5) 審判官が審理した結果、商標登録を取り消すべきだと判断した場合、審判長(指定された審判官のリーダー)は 商標権者に取り消しの理由を通知します。 このとき、商標権者は所定期間内に意見書を提出して反論することができます。 (6) 最終的に「取り消すべきである」と判断する審判官は「取消決定」を行います。 「取消決定」が確定すると商標権は最初から存在しなかったものとして扱われます。 (7) 最終的に「取消決定」とならない場合、審判官は「商標登録を維持すべき旨の決定」をします。 この場合、商標登録は取り消されません。 (8) 「決定」は、「取消決定」であっても「商標登録を維持すべき旨の決定」であっても、「決定の謄本」という書類を送達することにより商標権者と登録異議申立人に連絡されます。 (9) その他 細かな規定も有りますが、紛らわしくなるので 今回は省略します。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 登録異議申立てがあると、商標権者には「登録異議申立書」の副本(「登録異議申立書」と同じ内容の書類)が特許庁から送られてきます。 「登録異議申立人」が「登録異議申立書」で 好き勝手なこと を主張していても、それに対して直ぐに反論できないので、権利者としては とても もどかしく感じます。 実際、この段階で 「こいつ(登録異議申立人)、何 勝手なこと言っとるんだ〜!!」 と 怒る商標権者も多いです。 せっかく商標登録を受けられたのに、他人(たいていはライバル会社)からの邪魔が入ったのですから まあ不愉快になるのも無理はないと思います。 (2) 業界では単に「異議申立て」と呼ばれることが多いです。 尚、「申し立て」,「申立」などの送りがなが使われていることもありますが、商標法では「申立て」と規定されています。 (3) 「登録異議の申立て」のできる期間が経過した後に、所定の理由で商標登録を無効にしたい場合は無効審判を請求することが出来ます。 (4) 現在は商標登録後に「登録異議の申立て」を認める制度ですが、昔は商標登録前に登録予定の商標を公示して、「登録異議の申立て」をすることを認めていました。 (商標登録前、つまり商標権の付与前なので「付与前異議」などと 呼ばれます。) |
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