わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
[ インターネット出願 ] |
[インターネット出願] インターネットを利用して特許,商標などの出願をすることです。 2005年10月からインターネット出願の利用が可能となります。 (1) 今までもパソコンを使った電子出願(オンライン出願)が可能でしたが、そのためには特許庁直通の専用回線を使って出願する必要がありました。 しかも、その専用回線はISDNの回線でした。ブロードバンドが普及した現在ではISDN回線を使用している人は少なくなりましたね。 このように専用回線を使っていたのは主にセキュリティー(安全確保)上の問題によります。 インターネットは いろんな所を経由して情報が送られるので、情報の「改ざん」,「盗み見」,「なりすまし」などの危険があるのです。 (2)「インターネット出願」は専用回線を必要としません(ISDN回線は必要ありません)。 皆さんがホームページの閲覧やEメールの送受信にお使いのインターネットを使用します。 「インターネット出願」というとEメールを送って気軽に手続きできるようなイメージを受けるかもしれませんが、実際には残念ながら それほど簡単ではありません。 先ほど述べた インターネットを利用する際のセキュリティーの問題があるからです。 (3) インターネット出願を利用したい人は、まず「電子証明書」を入手する必要があります。 「電子証明書」はセキュリティーのために用いられます。 この「電子証明書」は特許庁の指定する会社が発行しますので、入手したい場合はそれらの会社に申請します。 この「電子証明書」は有料で、しかも有効期限があります。 値段は発行する会社によって異なりますが、個人の場合、約2年で18,000円くらいです。 期限があるので、期限後もインターネット出願を利用したい人は、またお金を払って新たな「電子証明書」を入手しなくてはなりません。 (4) そして専用の「インターネット出願ソフト」を「運用サーバ」と呼ばれる特許庁のサーバからダウンロードしてパソコンにインストールする必要があります。 運用サーバ(2005.9.25現在) インターネット出願ソフト自体は無料です。 以前のパソコン出願ソフトはCD−ROMで配布されましたが、「インターネット出願ソフト」はダウンロードのみで提供されます。 (5) 出願料などの料金の納付については「特許印紙」を予め特許庁に納めておく「予納」か、銀行振込を使った「電子現金納付」を利用する必要があります。 いずれも、事前に予納口座の開設や契約などが必要となります。 詳しくは、特許庁に お問い合せ下さい。 (特許庁 代表電話:03−3581−1101) (6) このように「電子証明書」,「インターネット出願ソフト」,「予納」等、事前に準備すべきことが多いので、インターネット出願の利用を考えている方は、余裕を持って準備しておいてください。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 今回、インターネット出願が導入されますが、今までの専用回線を使った電子出願は廃止されることなく、継続されます。 つまり、インターネット出願と、専用回線の電子出願とが併存することになります。 そのため、現在 専用回線の電子出願に対応している会社や特許事務所は 今までの電子出願システムを継続して利用できますので、あわててインターネット出願を導入する必要はありません。 いずれはインターネット出願に一本化されるのだとは思いますが、その時期は未定だそうです。 (2) 従来の紙の書類に特許印紙を貼って特許庁に持参又は郵送する出願方法も残されます。 但し、この場合は、紙に印字された内容を特許庁側で電子化する必要があるため、後日 データエントリー料と呼ばれる手数料を請求されることになります。 データエントリー料は書類の量によって異なります。 (3) 電子出願(インターネット出願も専用回線の出願も)の受付が24時間365日受付になります。 (土曜の深夜から日曜の早朝にかけてメンテナンスのための受付停止することがあるそうですが、どの程度の時間になるかは確認できていません。) 今までは特許庁が休みの日(休庁日)は電子出願も受付が無く、朝や夜も時間的な制限がありました。 これにより、土曜や日曜にも電子出願の手続きができるようになるので、便利になります。 尚、出願以外の所定の手続き(意見書,補正書 等)も同様に可能です。 (4) 昔 話 電子出願制度の導入当初(平成2年)は、専用の電子出願端末を購入するか、FDにデータを入れて郵送する必要がありました。 電子出願端末は、ワークステーションを改造したかなり高価なもので、導入できたのは大企業や大特許事務所くらいでした。 FDは破損しないようにダンボールの梱包に入れて送る必要があり、送料が高く,専用ダンボール,FD等の値段も含めると経費がかかりました。 今となっては 本当に昔の話しです。 その後、パソコンを使った、「パソコン電子出願」ができるようになって、かなり便利になりました。 |
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