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国際特許分類 (IPC) |
国際特許分類とは 特許出願された発明を分類するための国際的な分類です。 「IPC」というのは「International Patent Classification」の頭文字からなる略称で、国際特許分類のことです。 昔は各国が独自に特許分類をしていました。日本にも日本独自の特許分類がありました。 しかし、国毎に違う分類を使っていたのでは外国の特許についての調査や利用がやりにくいので、条約により世界各国が共通に使用できる特許分類として国際特許分類 (IPC)が作られました。 特許庁のデータベースである「特許電子図書館」や、有料のデータベースでも国際特許分類を使った調査ができます。 特許公報にもこの国際特許分類が記載されています。 国際特許分類は技術発展に対応して少しずつ改訂されています。 国際特許分類は、「セクション」、「クラス」、「サブクラス」、「メイングループ」、「サブグループ」とからなります。 例えば、「A01B1/02」という分類が有りますが、この場合 左から 「A」 が セクション 「01」 が クラス 「B」 が サブクラス 「1」 が メイングループ 「02」 が サブグループ となります。 左ほど 大きな区分となります。 つまり 「セクション」の中が「クラス」で細分化され、「クラス」の中が「サブクラス」で細分化され、・・・というように右に行くほど小さな区分となります。 例えば上記の例で言うと、 (1) セクション 「A」は、 「生活必需品」 (2) クラス 「A01」は、 「農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業」 (3) サブクラス 「A01B」は、「農業または林業における土作業:農業機械 または器具の部品,細部または附属具一般」 (4) メイングループ「A01B1」は、 「手作業具」 (5) サブグループ「A01B1/02」 は、 「鋤;ショベル」 の分類となります。 したがって、調査する際には「サブクラス」まで指定した方が、より細かな分野に絞って調査をする事ができます。 [関連事項と経験談] (1) 国際特許分類は国際的なものなので各国が勝手に変更することはできませんが、それだけでは利用しにくい場合があります。 例えば、ある分類について更に細かく分類したいような場合があります。又、国際特許分類とは違った切り口で分類した方が調査しやすい場合もあります。 そこで、日本では国際特許分類と共に、識別記号、分冊識別記号、Fターム等の独自の分類も 使っています。 (2) 私も企業にいた頃は国際特許分類を使って、イヤほどたくさんの調査をしました。 電池メーカーに勤務していたので、電池の区分である「H01M」については今でも分類の内容をだいたい記憶しています。 その後 勤務した特許事務所でも他に調査のセンスがある人がいなかったので、お客様から依頼があった調査や出願前の調査は殆ど一人でやっていました。 調査して、バッチリのものが見つかったときは気持ちよかったです。 (3) 国際特許分類が書かれた「国際特許分類表」という赤い表紙の分厚い本が有るのですが、この本をいつも手の届くところに置いてボロボロになるまで使いました。 戦前の古い特許を調べることもありましたが、その場合は古い日本の特許分類で調査していました。データベース化されていなかったので、分類分けして製本した古い公報を手めくりで調べたのが懐かしいです。 (4) 調査の際には是非 国際特許分類を活用してください。 キーワードで調査する「キーワード検索」の場合、データベースで同義語の判断ができないことが多く、調査漏れをしてしまいやすいからです。 例えば「コンピュータ」というキーワードで調べて見つからなくても、「電子計算機」というキーワードなら見つかるということもよくあります。 (5) 特許出願の「願書」には、出願する発明についての国際特許分類を記載することが奨励(というか半強制)されています。 |
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