さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


意見書(いけんしょ)


 意見書とは、


 出願を審査した特許庁審査官が示した拒絶理由に対して、出願人が意見を述べるために提出する書面のことです。



 特許,意匠,商標の出願をすると、権利が付与される前に特許庁の審査官が出願内容を審査します。


 審査の結果、出願を特許(登録)すべきでないと判断されると、審査官は出願人に「拒絶理由通知書」を送ります。


 この拒絶理由通知書には「拒絶理由」(特許,登録できない理由)が書かれています。これに承服してしまえば、権利化をあきらめることになります。


 しかし、審査官が誤解している等の理由で、拒絶理由が納得できない場合もあります。

 このような場合に、出願人に反論の機会を与えるために意見書の提出が認められています。


 出願人は審査官の示した拒絶理由に対して、意見書を提出して意見をのべることができます。

 意見書を書く際には「拒絶理由」の内容に対応して意見を書きます。例えば、「他の者から先に出願されている発明と同じなので特許できない」というような拒絶理由に対しては、「その発明とは構成が違い、効果にも顕著な差がある」といようなことを、両者の構成を比較しつつ説明します。


 意見書の提出できる期限は指定されていますので、指定された期間(特許の場合ですと拒絶理由通知発送の日から通常60日)以内に提出するよう注意する必要があります。


 尚、出願内容の一部に問題がある様な場合には、問題のある部分を補正するための「手続補正書」を同時に提出することもできます。


 審査官が意見書を読んで、出願人の主張に納得すれば拒絶理由が解消し、「特許(登録)査定」され、権利化が可能となります。


           *                       *

 [関連事項と経験談]


(1)意見書を提出しても拒絶理由を解消できなかった場合、審査官は最終的な決定として
「拒絶査定」を行います。

 これに対しては「拒絶査定不服審判」の請求をすることができます。この「拒絶査定不服審判」については、また別の機会に説明します。


(2)「拒絶理由通知書」を受けて、「もうダメだー、どうしよう」とパニックになる出願人の方もおられるようですが、拒絶理由通知書を受けても意見書や手続補正書を提出して特許(登録)されることはよくあることです。

 むしろ特許の場合ですと「拒絶理由通知書」が送られてこずにスムーズに特許されることの方が少ないくらいです。慌てずに対処しましょう。

 
(3)以前、相談会に「意見書を書いたので見て欲しい」という相談者が来られました。

 書類の具体的な内容チェックは「相談」の域を超えるので具体的な内容にはあまり触れず、必要項目等の書式を中心に簡単にチェックしてあげました。

 このとき驚いたのは内容が「感情むき出し」というか「ケンカごし」になっており、拒絶した審査官を「罵倒」するような文章ばかりで、肝心の拒絶理由に対する有効な反論が殆ど書かれていませんでした。

 この相談者の方には、「冷静且つ客観的に意見を述べることが望ましい」ことを説明しましたが、拒絶理由通知書を見て つい頭に来て「抗議文」みたいな文章を書いちゃったのでしょうね (^^;)。






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