さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


特許証 (とっきょしょう)


 特許証とは、

  特許権の設定登録が有ったとき(特許権が発生したとき)に特許庁長官が特許権者に交付する書面です。



 特許証には、「特許番号」,「発明の名称」,「特許権者の住所・氏名」,「発明者の氏名」等が書かれます。そして下部に特許庁長官の署名と印が入ります。


 用紙はA4サイズの少し分厚い紙で、上部中央に「菊の御紋」が描かれ、その両サイドに「鳳凰」らしき鳥(孔雀かも?)が描かれており、なんとなく「ありがたみ」を演出しています(^^;)。



☆注意

 名前に「証」と付くため「特許権者であることの証明書」であるように思っている人もいますが、特許証は「名誉的なもの」でありその所有者が特許権者であることを証明するものではありません。


 例えば火事や盗難などで特許証を失っても特許権者であることに変わりはなく、特許証を人に譲っても特許権自体を譲ったことにはなりません。


 その意味では、「特許証を持っている」というだけでその人が特許権者だと100%信じちゃダメです。


 特許証だけをもらった人かもしれません。又、昔は特許権者だったけれど特許権は他人に売り飛ばして特許権者でなくなっているかもしれません。


 もし特許権を買う場合や、実施権の許諾を受ける場合は相手が本当に特許権者であることを自分で調べましょう。


 先程説明したように特許証を持っていても特許権者であるとは限らないからです。更には特許権が消滅していることも有ります。本当に特許権者で有るかどうかは特許庁の登録原簿で調べられます。


 特許庁ホームページの特許電子図書館(IPDL)でも特許権者が誰であるかを調べることはできますがIPDLのデータベースへの記録にタイムラグがあるので注意してください。


 例えば昨日まで特許権者であっても今日は特許権者でなくなっていることも有りますが、IPDLのデータは少し前のデータなので現時点での正確な特許権者はわかりません。


             *                      *


[関連事項と経験談]


(1) 小さな会社や個人発明家のお宅にお邪魔すると特許証が額縁に入れられて部屋に飾られているのを見ることがありますが、「特許権が取れたのがよほど嬉しかったんだなー」微笑ましく思います。

 ある意味、特許証の一番本来的な使い方ですね。 お孫さんに「おじいちゃん 発明したんやで。すごいやろ。」と自慢される情景を想像してしまいます。


(2) 最近はさすがに少なくなったようですが銀行に融資を求めるときや、発明を企業に売り込む時などに持っていく方もおられるそうです。これも微笑ましい使い方ですね。

(通常は発明の内容がわかる「特許公報」を持っていきけば「特許証」まで持っていく必要はないです。)


(3) 特許証を失ったり汚したりした場合は請求すれば再交付を受けられます。(でも再交付の手数料が必要だったと思います。)


(4) 以前お話ししましたが、特許庁の事務処理負担を軽減するために日本知的財産協会(知財協)の会員企業には原則として特許証は交付されません。まあその程度の書面ですし、大企業は実益のない書面をたくさんもらっても仕方ないですからね。

 私も知財協の会員企業に勤務していたときは特許証を見たことがありませんでした。





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