わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
特許表示 (とっきょひょうじ) |
特許表示とは、 特許された物、又は特許された方法により生産された物について、それらが特許に係る物(つまり特許された物、又は特許された方法により生産された物)であることを示す表示のことです。 特許表示の表記の仕方については特許法施行規則で定められており、 物の特許発明の場合は 「特許」の文字と「特許番号」 方法の特許発明の場合は 「方法特許」の文字と「特許番号」 を表示することとされています。 つまり 「特許1234567」や「方法特許1231234」 のような表し方になります。 「第」や「号」を付けて「特許第1234567号」のように表記されている例もよく見かけます。 この特許表示ですが、国によって扱いに違いが有ります。 日本の特許法では、特許権者や実施権者に対して「特許表示を附するように努めなければならない。」と規定して特許表示をするように奨励(訓示)していますが、義務では有りません。 そのため、特許に係る物に特許表示をしなくても罰やその他の不利益を受けることは有りません。 「PAT.1234567」のような書き方をよく見かけますが、これは特許法やその施行規則で決められた表記の仕方ではありません。でも、特許に係る物に使用しているのであれば別に問題はありませんし、このような表記を見かけることは多いです。 * * [関連事項と経験談] (1) 虚偽表示 特許に係る物以外の物や、その包装に特許表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為などは虚偽表示として罰則(懲役又は罰金)の原因となります。 特許表示だけでなく「まぎらわしい表示」も含まれる点に注意してください。 ちなみに上記の「PAT.1234567」や「パテント1234567」、単なる「特許」のような表示は「まぎらわしい表示」に該当すると思います。 あくまで「特許に係る物以外の物等」についての表示が「虚偽表示」になるので、本当に「特許に係る物」に「まぎらわしい表示」をしても「虚偽表示」なりません。 (2) 特許出願中の表示について 特許出願中の発明に係る物について「特許出願中」と書くことは虚偽表示にはなりません。「出願中」であることが明記されていて紛らわしくないからです。 「特許出願中」であることを示すために「PAT.P」と書かれている商品を目にすることが有ります(最後の「P」はペンディング、つまり出願中であることを示しています)。 これについては一般の者には少し紛らわしい気もしますが、従来から製造業などで慣習として多く用いられていますので、本当に特許出願中なので有れば記載しても支障ないと思います。 (3) 権利消滅後の特許表示について 存続期間の満了等により特許権が消滅した後は、既に特許権がないのですから特許表示はすべきではありません。一般に、このような場合は「虚偽表示」に該当すると考えられています。 (4) 「なんだこの表示?」 たまに企業案内や製品のパンフレットを見ていて、「特許2003−12345」とか「特許昭和55−12345」のような表示を見かけることがあります。 特許番号には「西暦」や「元号」を含みませんので、明らかに「出願番号」か「公開番号」を間違えて表示されているのだと思います。 これでは虚偽表示に該当する可能性が高いですし、自分の無知をひけらかしていることになるので格好悪いですね。 格好悪いと言えば、以前ある会社の案内パンフレットを読んでいて、特許番号として「AB123」のような番号がいくつも列記されていたことがありました。 そんな特許番号は存在しないので不思議に思って問い合わせたところ、なんとその会社が依頼している特許事務所の整理番号(どの依頼かをわかりやすくするために事務所が便宜上付けている番号で、法的意味は無い)を特許番号だと勘違いされていました。これも恥ずかしいですね。 |
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