わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
双方代理(そうほうだいり) |
双方代理とは、 利害が互いに反する2人の当事者がいる場合に、同じ代理人がその両方の当事者の代理人として代理行為を行うことです。 弁護士や弁理士は双方代理を行うことが禁止されています。 裁判では「原告(訴えた人)」と「被告(訴えられた人)」は互いに利益の反する当事者となります。つまり原告と被告は対立関係になります。 この場合、同じ弁護士が「原告の弁護」と「被告の弁護」の両方を引き受けることはできません。双方代理に成ってしまうからです。 双方代理が禁止されるのは、厳正な手続きを行うことによって当事者を保護するためです。双方代理が認められてしまうと、実質的に代理人がどちらの当事者を勝たせるか決めてしまえることに成ってしまいます。 当事者にとっては双方代理なんてされると「おまえは、どっちの味方だ!」ということになり、安心してまかせられませんよね。 したがって、どちらか一方の代理人となると相手の代理人になることができないようにしているのです。 知的財産関係でも当事者同士の利益が相反することが有ります。 特許権侵害,商標権侵害等の訴訟はもちろんですが、裁判でなく特許庁の審判でも当事者が対立することになる場合があります。 典型的なのが「特許の無効審判」です。無効審判の請求人は「特許を無効にしてやろう」とする人です、被請求人は「その特許権の特許権者」です。 つまり、「特許を無効にしよう」といる請求人と「特許を維持する(無効にさせない)」という被請求人とでは利益が相反するわけです。 ですから、特許の無効審判においては、同じ弁理士が同時に請求人と被請求人の代理となることはできません。 実際にはもっと色々なパターンがあります。例えば、自分が出願代理人として手続きした特許に対する無効審判の請求人側代理人となることもできません。 その他、色々の場合があるのですが、あまり細かなことを説明しても意味がないので、ここでは省略します。 * * [関連事項と経験談] (1) 特許事務所に手続きを依頼しても「双方代理になるので」という理由で手続きの依頼を断られることがあります。 (2) 弁理士は双方代理を行うと、罰を受けます。私はあまり詳しくないのですが、「一定期間の営業停止」などが有るそうです。程度によって罰の大きさも変わると思います。今までに何回かそのようなことがあったらしいです。 (3) 以前、特許相談の時に双方代理の話しになったのですが、相談者の方から「SOHO代理って小さな会社の代理のことですか?」と聞かれたことがありました(^^;)。 「SOHOさんの代理なら得意で大歓迎なんですが、そのソーホーでなくて双方の話しなんです・・・」と説明したら爆笑しておられました。 (4) 双方代理とも関係するのですが、一般に特許事務所では今までに委任を受けて出願などの代理をしているお客様のライバル会社から特許出願の依頼があったような場合は、依頼を断るようにしています。 お客様の大切な秘密(発明)を扱うのですから当然といえば当然ですよね。 |
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