わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
職権訂正(しょっけんていせい) |
職権訂正とは、 職務上の権限に基づいて特許庁で行われる訂正のことです。 (1) 特許庁に提出する書類は権利範囲を定めるなど大切な役割があります。 ですから、提出する書類は細かく定められた書式に従って正しく書く必要があります。 書類に不備が有る場合、特許庁長官は書類を提出した者(例えば出願人)に対して手続きの補正を命じることができます。 この場合、出願人は手続補正書を提出して補正を行うことにより、書類の不備を解消することができます。 (2) しかしながら、不備が軽微であって、間違っている内容が明白である場合には、補正を命じることなく職権訂正として内容が訂正される場合があります。 職権訂正が行われるのは、このような形式的で軽微な不備については、特許庁側で訂正しても問題が生じ難く、そのような不備までいちいち補正を命じて補正書を提出させていたのでは出願人も特許庁も手続きが煩雑に成るためだと思います。 職権訂正がされた場合は、手続補正書を提出して補正をする必要はありません。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 職権訂正があった場合には、「職権訂正通知書(ファイル訂正通知書)」が送られてきます。 これには訂正前の内容と訂正後の内容とが示されるので、職権でどのような訂正がされたかを知ることができます。 (2) 弁理士が手続きを行う場合、職権訂正になることはあまり有りません。 書式などについてよく知っていて慣れているので、不備が生じにくいからです。 (3) でも特許相談をしておりますと、時々「職権訂正」についてご相談を受けます。 その中で一番多いパターンは、商標登録出願をした際に願書に記載する「指定商品(指定役務)」の列記の仕方に不備がある場合です。 複数の商品(又は役務)を指定する際には商品を「,」で区切って書かなくてはなりません。 しかしながら慣れていない方が出願書類を作成されると「,」ではなく「、」で区切ってしまうことが多いようです。 まあ、確かに普通の感覚からいえば、そんな細かいことまで気にしませんよね。でも、特許庁では「,」と「、」との違いは認められないのです。 ですから 例えば願書に 【第30類】 【指定商品(指定指定)】コーヒー、紅茶 と書いて出願した場合、そのような書き方は認められないので、 【第30類】 【指定商品(指定指定)】コーヒー,紅茶 のように職権訂正されることになります。 (4) 職権訂正は特許庁の義務ではないので、軽微で明白な不備であっても必ず職権訂正されるとは限りません。 「間違っていたら職権訂正してもらえばいいや」なんていう安易な気持ちで手続書類を作成してはだめですよ。 (5) もし職権訂正について不明な点や不服が有る場合は、「職権訂正通知書(ファイル訂正通知書)」に特許庁の担当者(多くの場合、「方式審査課」の方)が記載されているはずですので、その担当者に問い合わせてください。 |
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