特許事務所って?
(1)特許事務所の名称
弁理士法第76条(名称の使用制限)1項では
「弁理士又は特許業務法人でない者は、弁理士若しくは特許事務所又はこれらに類似する名称を用いてはならない。」と規定されています。
つまり、簡単に言うと特許事務所とは「弁理士の事務所」であるといえます。
名称の付け方は下記のようになります。
(説明中の例は適当に考えた例ですので、実在するか否か知りません。)
@ 原則は弁理士の「氏」又は「氏名」+「特許事務所」となります。
例 「鈴木特許事務所」等
A 「国際特許事務所」、「内外国特許事務所」、「特許商標事務所」のような名称もありますが、特に意味はありません。
私が以前勤務していた事務所も「国際特許事務所」ですが、別に外国出願が多いわけでもありません。
不思議に思い所長に尋ねたところ、「国際とした方がカッコエエと思ったから」とのことでした。(^_^;)
B 「法律特許事務所」、「特許法律事務所」
特許事務も行う法律事務所です。
弁護士は弁理士登録できますので、弁理士登録した弁護士の事務所が該当します。
弁護士とは別に弁理士がいる場合もあります。
C 「特許会計事務所」
あまり見かけませんが、税理士又は公認会計士の資格も持つ弁理士の事務所等です。
D 弁理士の連名の事務所 (例「鈴木田中特許事務所」)
2人以上の弁理士が共同経営している事務所です。
E 「弁理士の氏又は氏名を含まない特許事務所」
以前は2人以上の弁理士が共同経営している事務所に限り、このような名称が認められていましたが、最近は 規制が少なくなりました。
(例 「 リラックス特許事務所 」)
(2)特許事務所はサービス業
商標法施行規則の商品役務区分に
第42類「工業所有権に関する手続きの代理又は鑑定その他の事務」
とあるように、サービス業です。
(3)業務内容
(a) 出願、中間処理等の権利化手続、 権利維持(年金納付、更新登録)
(b) 無効審判、取消審判、情報提供等の権利排除手続
(c) その他
特許、商標等の調査、 鑑定(権利行使前、実施前、実施契約前、被警告後)、
実施契約(交渉や契約書作成についてのアドバイスや補助)、 権利譲渡手続
顧客社員教育、 訴訟時の補佐人、 社内職務発明規定の作成やアドバイス
その他 工業所有権仲裁、 無料相談会、 特許関係の技術アドバイス 等もしたりします
(4)特許事務所の構成
@所長(弁理士) 通常は1人 (事務所経営者、 個人事業代表者です)
Aパートナー弁理士 パートナー制度を採用して複数人で事務所運営する
(利益は所定の比率で分配しているようです)
B勤務弁理士 事務所勤務のサラリーマン弁理士(資格はあるが単なる従業員)
C(技術系)事務員 明細書作成補助、調査等
D一般事務員 出願や中間書類の提出手続き、期限管理、
E その他 経理担当者、 トレーサー(CAD)、 調査員、 翻訳者、 秘書
でも小さい事務所では、翻訳や図面トレース等を外注したり、事務員や勤務弁理士が色々な仕事を兼ねてやっています。
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