わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
[設定登録料(せっていとうろくりょう)] |
設定登録料とは、 特許,意匠登録,商標登録などの設定登録を受ける際に、納付する費用のことです。 (1) 特許,意匠,商標の出願については、特許庁で審査されます。 そして、審査官が「特許してもよい」,「登録しても良い」と判断すると、特許庁は出願人(代理人がいる場合は代理人)に「特許査定謄本」又は「登録査定謄本」という書類を送達します。(通常は書留郵便。) 「特許査定謄本」又は「登録査定謄本」を受け取った出願人は、所定の期限内(謄本を受け取った日から30日以内)に設定登録料を納付します。 設定登録料の納付があると、特許庁は特許,意匠登録,商標登録などの設定登録を行い、特許権,意匠権又は商標権が発生します。 (2) 特許の場合は、少なくとも第1年度から第3年度までの登録料を納付します。 意匠登録の場合は、少なくとも第1年度の登録料を納付します。 商標登録の場合は、原則として10年分の登録料を納付しますが、5年分ずつ分割納付することもできます。 只、分割納付の場合、通算すると割高になります。 (3) 実用新案の場合は、実体的な審査を経ずに早期に登録になるため、出願の際に出願料と一緒に第1年度から第3年度までの登録料も納付します。 (4) 「特許査定謄本」又は「登録査定謄本」の送達が有ったのにもかかわらず、設定登録料を納付しないと、「出願却下処分」となり、特許や意匠登録,商標登録を受けることができません。 つまり、せっかく審査をパスしても出願却下処分となると、出願人は「特許権」,「意匠権」又は「商標権」を得ることができません。 勿体ないですね。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) 設定登録料の納付手続きは、「特許印紙」を貼り付けた紙の「登録料納付書」を提出することも可能ですが、近年ではオンライン手続きで登録料納付書を提出することが多いです。 オンライン手続きでは「特許印紙」を送ることができないので、「予納制度」を利用して予め特許庁に「予納」しておきます。 つまり予め「特許印紙」を特許庁に預けておいて、その中から必要な分だけ使うようなかたちとなります。 当たり前のことですが、予納の残高が、納付する金額よりも多い必要があります。 予納の残高が一部不足する場合(例えば66,000円納付する必要があるのに、予納の残高が50,000円しか無い場合)、特許庁より「補充指令」が送られてきます。 この場合、不足分を補充する手続きをします。オンライン手続きの場合は、予納を行って不足分以上の残高してから補充手続きします。 更に、予納の残高が全くない場合(残高がゼロの場合)は、「補充指令」ではなく、登録料納付書の手続きが却下となります。 そのようなことにならないように、オンラインで手続きする場合は、予納の残高に気を付けましょう。 尚、予納の残高は、オンライン手続きに使うオンライン出願ソフトを使って特許庁にアクセスすれば確認することができます。 (但し、予納台帳のデータ入力に1〜2日程度のタイムラグがある場合もあるので、注意してください。) (2) 登録査定後に設定登録料を納付するのですが、商品形状の変更,商品名の変更,事業内容の変更などの関係で、登録査定の際に既に意匠,商標などの登録が必要でなくなっている場合があります。 そのような場合は、設定登録料を納付せず放置しておけば、そのまま出願却下となり特許や登録はされません。 (只、早くから権利不要であることがわかっているのでしたら、出願人が自ら出願の取り下げ手続きをする方が好ましいです。特許庁に無駄な審査の手間をかけさせないためです。) (3) 今まで、お客さんのご希望で、あえて上記のように設定登録料を納付しないケースが何回かありましたが、特許庁から 「設定登録料の納付がない」 ことを知らせる葉書が送られて来ました。 「納付するのを忘れている」場合を配慮して、出願却下の前に連絡してくれたのでしょう。 もし本当に設定登録料を納付するのを忘れていたのなら、すぐに特許庁の担当部署に連絡をして納付する意志があることを伝えて、すぐに設定登録料の納付をすれば、出願却下になることなく登録してもらえるのだと思います。 でも、このような取り扱いは、あくまでも好意でしていただいていることであり、そのような通知の葉書が送られてくることや、所定期間経過後に納付ができることを期待してはいけません。 「所定の期間内に納付しない場合は、その期間経過後に出願却下されても文句は言えない」 と考えて、登録が必要な場合は必ず所定期間内に納付するように心がけてください。 (4) 設定登録により権利が発生した後に、残りの存続期間について「特許料」や「登録料」、つまり権利を維持するための「特許料」や「登録料」を納 付することがあります。 例えば設定登録料として1〜3年分の登録料を納付した場合、4年分以降も権利を維持したい場合は、後日4年分以降の登録料を納付することになります。 (この場合、納付しないと原則として3年が経過した時点で権利が消滅します。) このような権利維持のための「特許料」や「意匠登録料」のことは、「年金」と呼ばれることがあります。 (5) 商標登録の場合、10年毎に存続期間の延長ができますが、その際に納付する登録料は、「更新登録料」と呼ばれます。 |
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