「わかっちゃう! 知的財産用語 (特許,商標などの用語解説)」

さかな  わかっちゃう  知的財産用語
特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 
さかな


 [休眠特許(きゅうみんとっきょ) ]

 
 休眠特許とは、

 使用されていない特許のことです。

 未使用特許とも呼ばれます。


(1)
 日本には有効な特許権が100万件程度ありますが、その約2/3は実施もライセンスもされていない休眠特許であると言われています。



(2)
 特許を取得するためには、研究・開発費、特許出願の費用,特許料など、色々と費用がかかります。


 特許により独占的に発明を実施するか、ライセンス収入を得られれば良いのですが、休眠特許では収入を得ることができません。


 折角、手間や費用をかけて特許を取得したのに、勿体ない話しですね。



(3)
 近年では、大企業等の休眠特許を積極的に活用しようとする動きが活発になってきたようです。


 大企業ではある程度の規模の売り上げが期待できないものは製品化,事業化しないことが多いのですが、中小企業が小さな規模,ニッチな分野でうまく事業化できる場合もあります。



(4)
 休眠特許の内、権利者が他人に譲渡やライセンスしても良いと考えている特許は、「開放特許」と呼ばれます。これについては以前説明しました。

 (参照)「開放特許」 



(5) その他

 「特許流通フェア」のように、特許権者と企業とのマッチングをするイベントが開催されています。


 休眠特許を仕入れてきて、その特許を利用できそうな企業に販売するような会社も有ります。


 また、特許権者と 特許導入を希望する企業とを引き合わせる「お見合い」のような仕事をして仲介手数料を取っている会社もあります。

 


               ☆              ☆

[関連事項と経験談]


(1)
 「休眠特許」だから「有効利用されていない」という考え方は短絡的です。


 権利者が実施しなくても、「他人に実施させない」ということが、戦略上の意味を持つ場合も有るからです。



(2)
 「休眠特許は宝の山だ!」みたいな話をよく聞きますが、もともと休眠特許は「理論はともかく実際には実施しにくい」,「利益を出しにくい」,「他にもっと優れたアイデアがある」,「市場のニーズに合致しない」,「他の法律の規制がある」等の理由により休眠状態になっているケースが多いようです。


 ですから無責任に「宝の山」というのは誤解を与える表現のようにも思えます。


 確かに宝も有るのですが、個人的には「ガラクタの山の中に宝石の原石が眠っている」というようなイメージを持っています。



(3)
 大学にもたくさんの休眠特許が有ります。大学の特許の有効利用については以前「TLO」の説明の際に少し解説しました。

(参照) 「TLO



(4)
 昔、企業に勤務していた頃は 研究者には「年間*件特許出願」のような目標がありました。


 特許件数の多さで企業の技術レベルの高さをアピールするという意味がありましたし、「研究成果は特許として残すのが当たり前」という考えもありました。


 当時は、

 「とにかく特許件数が多いのは良いことだ」

という考えの下、特許出願が奨励されていたように思います。


 でも、知財部門で特許管理をしていた私は、お金を使うだけで儲けてくれない「金食い虫」の休眠特許をたくさん見て、「勿体ないなー」と思うこともありました。


 只、休眠特許が「クロスライセンス」の材料として役だったことが有り、そのときは「休眠特許も役立つときがあるのだなー」と ちょっと見直したことはありました。



(5)
 休眠特許をどう活用するかも大切ですが、休眠特許を増やさないように出願や、維持する特許権を厳選することも大切だと思います。



 例えば事業化との関係で権利化する必要性が低い発明については、あえて特許を取らないということも考えられます。


 また、特許権を維持するために「年金」と呼ばれる特許料を納付し続ける必要があるのですが、本当に年金を納付してまで維持する必要があるのか よく検討する必要も有るでしょう。


 その際には、知財部門,研究所,技術部門だけで判断するのではなく、経営,企画などの部署も一緒に検討すべきだと思います。



 先日、大企業の知財担当者と 話しをしていたのですが、特許権の維持を検討する際に

 「もし自分の判断で特許権を消滅させた後に、その特許権が必要となった場合には責任問題になる。だから無難に特許権を維持しておこう。」

と考える傾向があるそうです。確かに減点主義的な評価の下では、こういう考え方になるのかもしれませんね。



(6)
 特許法の改正により、近く特許利用の引き下げが有ります。特に10年目以降の年金が安くなります。でも、これは大企業の休眠特許を増やすだけのような気もします。



(7)
 米国では、休眠特許を買い取り、その特許権を使って訴訟を起こし、高額の損害賠償やライセンス料を取る「パテント・エンフォーサー」というビジネスが有るそうです。
 
 なんだか おっかなそうな商売ですが、お金になりそうな休眠特許を探し出してくるというのは 凄い目利きですね。



(8)
 「休眠特許」という名前は、特許がグーグー寝ているみたいで、なんとなく可笑しいですね。



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