わかっちゃう! 知的財産用語 特許,商標,著作権 等に関する用語辞典 |
ジェネリック製品 |
ジェネリック製品とは、 法律用語ではないのですが、意匠権が消滅した後に、(意匠権者であった者以外が)製造,販売する同一又は類似デザインの製品のことを指すことが多いです。 「ジェネリック・リプロダクト」と呼ばれることもあります。 (1) 特許権が消滅した後に他社から販売される「ジェネリック医薬品」については、以前に説明しました。 特許権には存続期間があり、存続期間を経過すると特許権は消滅し、それまで特許権で保護されていた発明を原則として誰でも実施(製造,販売等)することができるようになります。 そのような特許権消滅後に製造,販売される医薬品は「ジェネリック医薬品」と呼ばれます。 (2) 意匠権も特許権と同様に存続期間があり、存続期間が満了すると消滅します。 意匠権が消滅すると、原則として その意匠(デザイン)は誰でも実施できるようになります。 意匠権が消滅しても優れたデザインの製品は魅力があり、それを欲しいと思う人がたくさんいます。 そこで、意匠権者や、ライセンスを受けていた人以外も、そのデザインの製品を製造,販売することがあります。 このような製品は「ジェネリック製品」や「ジェネリック・リプロダクト」と呼ばれます。 また、製品の種類によって、例えば「家具」なら「ジェネリック家具」などと呼ばれることもあります。 開発費やライセンス料などが不要であるため、それまで意匠権者やライセンスを受けた者が提供していた商品より安価な販売価格で提供されることが多いです。 (3) 「ジェネリック医薬品」と同様に、特許権が消滅した後に、その発明を使って実施される製品についても、「ジェネリック製品」と 呼ばれることがあります。 この場合も、対応する商品により、「ジェネリック家電」 などと呼ばれることもあります。 ☆ ☆ [関連事項と経験談] (1) ジェネリック製品のデザインは、それまで意匠権で保護されていた物品のデザインと、とても似たものとなります。 でも、品質までも 全く同一 とは考えにくいです。 ジェネリック製品の方が品質が高くなっている場合もあり得るでしょうし、その反対に品質が落ちていることもあり得るでしょう。 パッと見た外観は同じようでも、材料,工作精度などの品質が異なることもあると思います。買うときには、デザインだけでなく品質やアフターサービスなども確認したいですね。 (2) 意匠権は存続期間満了により消滅しますが、放棄や、登録料を納付しないこと、無効審判等によっても消滅します。 その場合、該当する意匠権が消滅した後も、類似する意匠について「関連意匠」の意匠権が残っている(存在している)場合があります。 よって、ある意匠権が消滅しても、別の意匠権の侵害となることも可能性としてはあります。 もしジェネリック製品を製造,販売したい場合は、そのような意匠権が残っていないかも確認するとよいでしょう。 (3) 意匠権が消滅しても、関係する商品について商標権が存在していることがあります。 その場合は、同一又は類似の商標で販売すると、商標権侵害となります。 また、業務混同を招くような表記も、問題になります。 そのため、同じデザインの商品でも、同じ又は似た商品名で販売できないことがあります。 |
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